しかし、「国民ファーストの会」という呼び名になるかどうかはともかく、いくらなんでも、この新党だけで自民党に対抗できるとは考えづらい。
都議選にならって衆院選でも自公連携を切り崩すのは無理だとしても、民進党、自由党、社民党そして、共産党まで含めた野党連合を組めば、政権交代も可能になる。ただその場合、小沢一郎氏の「オリーブの木」構想のように柔軟な選挙協力の姿勢がなければ、現実には難しい。
他方、維新のように自民党の補完勢力になってしまえば、巨悪を向こうに回して女性リーダーが活躍するという小池劇場の構図は崩れ、小池新党の存在意義そのものが薄れるだろう。
いまのところ国政新党の発足メンバーとして、若狭氏のほか、渡辺喜美氏、長島昭久氏らの名前があがっている。失礼ながら、渡辺氏はみんなの党の失敗で賞味期限切れだし、防衛政策通の長島氏は地味すぎる。若狭氏は東京都知事選の応援演説を見る限り、人を集められるパワーがない。
とりあえず政党要件を満たす国会議員5人を集めてスタートしても、衆院選で全国に議員を立てるとなると、現在考えうるメンバーでは力量不足ではないか。小池知事が都政をほったらかして各地を駆けずり回るとしても、集票にはおのずから限界があるだろう。
都議選で大勝したのはいいが、小池都知事に喜びに浸っている暇はない。自民党への断ちがたい執着をかかえながら、自らがつくった都民ファーストの会をどのような方向に進めていくか。煩悶の夏である。
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