なぜ「鮎(あゆ)」という漢字に「占う」の字が使われているの?

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京都に夏の訪れを告げる祇園祭の「最初のクライマックス」である山鉾巡行が、17日に行われました。ニュースなどでご覧になった方も多いかと思います。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者で学生時代を京都で過ごしたという須田將昭さんが、ある山鉾を調べてみて判った「鮎」という字の由来について紹介しています。

占いと関係がありました

7月17日は京都の祇園祭の最初のクライマックス、山鉾巡行先の祭りでしたね。さて、(公財)祇園祭山鉾連合会のサイトをみると、山と鉾は全部で33体が紹介されていました。これまでに何度も宵山に行ったり巡行を見たりしてきたので、たいていは見知っていたつもりでも、それらの詳しい由来となると意外に知らないものがありました。

今年はそんな発見をさせてくれたのが「占出山(うらでやま)」でした。占出山は別名、鮎釣山とも言います。御神体は金の烏帽子に太刀を佩き、右手に釣竿、左手に釣り上げた鮎を持っています。これは、神功皇后が戦勝祈願として「もし魚が釣れたら、戦勝まちがいない」と念じながら釣をしていて釣り上げた魚が「あゆ」だったことに由来します。「あゆ」の漢字は「偏に」と書きます。この「占い」は、戦勝を占ったことに由来するわけですね。

中国では「鮎」は「なまず」を意味します。諸説はあるようですが、「地震を占う魚」がその結びつきの由来のようです。

同じ「魚+占」という成り立ちの漢字でありながら、実際に結びついたのが「なまず」と「あゆ」とはなかなか面白い話ですね。

また、先日は「蘇民将来子孫也」と書かれた縁起物の粽(ちまき)の話を書きましたが、占出山では故事にちなんで「吉兆鮎」という和菓子が売られています。「若あゆ」という和菓子はご存知の方もいらっしゃると思いますが、この吉兆鮎は祇園祭の時だけの限定販売だそうです。

今年、初めて食べてみましたが、非常に美味しい和菓子でした。ちょっとお高いのですが…そんなところも楽しめる祇園祭です。

どの山、鉾がお気に入りか…というのは、きっと京都にお住いの方だったらいろいろとあるのだろうなと思うのですが、私自身は「自分がかつてアルバイトでひいた鉾」ということで「船鉾」がお気に入りです。他にも仕掛けが面白い「蟷螂山」も好きなんですが、そういえば今年は見逃してしまいました。

まだまだ京都の祇園祭は、来週は後の祭りもあり、7月末まで続きます。何かしらのきっかけで一つでも二つでも祭りのことを知っていただけたらと思います。

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