現代中国とナチスドイツは同じ
劉氏が2010年のノーベル平和賞を受賞したことから、中国政府にとっての問題は始まった。平和賞受賞によって劉氏はただちに、信念のために投獄された世界的著名人の仲間入りをした。ネルソン・マンデラ氏、アウンサンスーチー氏、カール・フォン・オシエツキー氏といった人たちと、肩を並べるようになったのだ。
劉さんは、ノーベル平和賞を受賞して、「世界の偉人」の仲間入りをしたのですね。そう考えると、ノーベル平和賞受賞は、意味があったのでしょう。
グレイシーさんはここで、劉さんとナチスドイツ時代の偉人オシエツキーさんを比較します。
カール・フォン・オシエツキーを知らない人もいるだろうが、中国政府にとっては特に居心地の悪い比較対象だ。フォン・オシエツキーは1935年、ナチス・ドイツの強制収容所にいながらにしてノーベル平和賞を受賞した平和主義者だった。アドルフ・ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出席するのを許さなかった。
オシエツキーさんは、獄中でノーベル平和賞を受賞した。ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出るのを許さなかった。劉さんは、どうでしょう?
ノーベル平和賞に選ばれた時、劉氏は国家政権転覆扇動の罪で服役中だった。中国政府は、妻が代理として式典に出席することを認めず、それどころか劉霞氏を自宅軟禁にした。
オスロで開かれた2010年の平和賞授賞式で、劉氏の代わりに壇上に上がったのは、空の椅子だった。そしてそれを機に、21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになったのだ。
中国政府の劉さんに対する扱いは、ナチスドイツとまったく同じですね。しかし、
21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになったのだ。
というのは、「え? そうなんですか?」という感じです。
「今の中国は、20世紀初めのドイツに似ている」という話はよく聞きます。しかし、「今の中国は、ナチスドイツと似ている」という話はあまり聞きません。いえ、私たち庶民の間では、そんな話もあるかもしれませんが。上の人たちがそんな発言をしていること、聞いたことがありません。