【書評】働けない人は死ぬ。リタイヤすらできない日本の高齢者

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「生涯現役といえば聞こえはいいが、死ぬまで働き続けなければいけない高齢者がこれから増加するかもしれない」──。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが紹介しているのは、リタイヤすることさえ許されない日本の厳しい「高齢者たちのこれから」が記された1冊です。政府の言う「一億総活躍社会」は、我々に幸せをもたらすはずではなかったのでしょうか。

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続・下流老人
藤田孝典・著 朝日新聞出版

藤田孝典『続・下流老人』を読む。2015年の『下流老人』の続編だ。そっちのサブタイトルは「一億総老後崩壊の危機」、こっちのは「一億総疲弊社会の到来」ときた。前回は生活保護利用ノウハウの紹介。今回は世界一老後が過酷な国で、生きていくための「解決策」を示すんだとか。

政府は「一億総活躍社会」の達成のためには、「生涯現役社会」の実現、推進、強化が必須であることを明言している。生涯現役という言葉はポジティブに聞こえるが、「要するに、今後は『高齢者が死ぬまで働き続けなければ社会を維持出来ない社会に突入する』ということだ」と著者は断定する。

社会保障が整備されていない国ほど、高齢者の就業率が上昇する傾向にある。というのが著者の大前提である。高齢者が働く理由は、

  1. 下がり続ける年金受給額
  2. 上がり続ける介護保険料
  3. 上がり続ける生活費

の三つである。

「死ぬまで働く高齢者」を生み出す日本の三大問題は、

  1. 雇用・労働をめぐる問題
  2. 家族をめぐる問題
  3. 地方をめぐる問題

である。それぞれについて、なるほど納得できる詳しい説明がされている。三つというのがうまい。

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