日米よ思い知れ。北朝鮮が「グアム攻撃」に隠した3つのメッセージ

 

これに対して米国のマティス国防長官とティラーソン国務長官は14日、連名でウォールストリート・ジャーナルに寄稿し、北朝鮮の政権転覆には関心がないこと、北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発行為を直ちに停止すれば、北朝鮮と交渉する用意があると明らかにしました。

中国も動きを見せました。中国商務省は14日、国連安保理の新たな制裁決議を履行するため、北朝鮮からの鉄鉱石や海産物などの輸入を15日から停止すると発表しました。中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国です。今回の中国の制裁履行は、大きな経済的打撃になることは避けられそうにありません。

北朝鮮はどう出るでしょう。はたして金正恩党委員長は14日、「朝鮮半島での軍事的衝突を防ぐためには、アメリカが先に正しい選択をして行動で示すべきだ」として、アメリカの対北朝鮮政策を転換するよう求めたうえで、「悲惨な運命のつらい時間を過ごしているアメリカの行動をもう少し見守る」と述べたのです。

こうなると、金正恩党委員長が先に述べたような「北朝鮮主導による話し合いモード」に舵を切っていることは明らかです。北朝鮮が先にハンドルを切って正面衝突を避けたのは4月13日以来2回目ですが、安心はできません。

チキンゲームは、まかり間違えれば破滅的な軍事衝突につながりかねないからです。政府に日米同盟の抑止力を機能させるべく万全の取り組みを求めること、それ以外に日本が安全を確立する道はないことを肝に銘ずべきでしょう。(小川和久)

 

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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