「誰の手も借りず自分1人でやります」。起業するにあたり、そう元気よく宣言する若い人の言葉は一見、頼もしい響きがあります。しかし、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、「独りよがりではビジネスの成長や成功を拒んでしまう」とし、周囲の声や意見に耳を貸すことの大切さを説いています。
「誰の助けもいらない。」は危険です
一人の若者から起業の準備にあたって相談やアドバイスを欲しいというので、数ヶ月間、彼をサポートさせて頂くことがありました。
自分のしたいことで起業する、というだけあって、彼はとても勉強熱心で向上心も強くありました。なので私もこれまで培ってきたものをドンドンと伝えていきました。
そして、道筋が見えはじめようやくスタートラインに立つぞ、という段階に来たとき…、「ここからは誰の力も借りずにしばらく1人でやっていきます」と彼はいいました。
「とても頼もしいじゃないか」と思うかも知れませんが、実は「1人でやっていく」というのは、自分の成長を自分で止めてしまいかねません。また、成功を妨げる要因にもなります。
他にもゼロから独立、起業をしたいといってきた人を何人も見てきましたが、「自分だけで勝負します」「自分、1人でやってみます」という人の多くがこうした台詞を吐いては途中で挫折しているのです。
「誰の手も借りず自分1人でやります!」というとカッコ良く聞こえますが、悪くいうと「誰の手助けもいらない。ほっといてくれ」なんてことを言っているのと同じで、他人の声に耳を貸さなくなっていき自分からどんどんと殻に閉じこもっていくのです。
仕事においての成長や成功というのは、決して1人だけで出来るものではありません。ましてや独立、起業となると最低限、軌道に乗るまでは背中を押してくれたりする人達や協力してくれる人達、と結びついておくことが必要です。そうしておかないと、段々と独りよがりになっていき結果、頭も固くなり、視野も狭くなっていきます。
起業してその事業が順調にいったとしても、必ず様々な問題が出てきます。そして問題に当たったとき、独りよがりになっていては壁を破ることができにくい体質になっていってしまうのです。つまり、素直さが欠如したまま独立、起業すると非常に視野も行動力も発想力も乏しくなっていくだけです。
自分の意志や力だけで成長、成功を遂げてみせると自分自身でコミットメントしてしまうといざというとき、ほんとは誰かに相談に乗って欲しいのに、素直になれず苦しんでしまうのです。
また、過信に繋がる場合も多く、失敗しても失敗していることを認めることが出来ません。、よって、改善もままならないので前にすら進めません。たとえ前に進めたとしても失敗を認められないので、どんどんと間違った方向へ進んでいきます。
逆に成功すれば成功するで、自分が絶対正しい、自分の意志が全てだとなり、人間性が欠落し、周りに誰もいない、誰もついてきてくれないなんて状況から一気に崩壊へ向かいます。
とはいっても、もちろん自力を養い、自己の力でやっていくことは大切ですが、「自分だけで全てなんとかなる、なんとかする」というのは、いざというとき、周りの意見や声に耳を貸さなくなってしまうという危険性があります。
仕事で成長していく、事業を成功させる、何かを成し遂げるには素直さが必ず必要です。素直さを持ち、それを保ち続ける為にも周りにの存在に感謝し、どんな意見にも耳を傾けるようにしておきましょう。
あなたは、自分のことを過信していませんか? あるいは、独りよがりになっていませんか? もしそう感じたとすれば、黄色信号です。
■今日のまとめ
『素直さが欠如すれば成長も成功もしない。』
・成長や成功を自ら止めてしまわないために自分に何が必要か考え列挙する。
・列挙したことを基に独りよがりにならないためのルールを作る。
image by: ShatterStock







