北朝鮮有事で試される覚悟。トランプが安倍首相に突きつけた要求

kitano20170908
 

先日行われた日米電話会談で、安倍首相に「対話にこだわる韓国に、北朝鮮に軍事圧力が必要であることを伝えて欲しい」と要求したトランプ大統領。さらに、「北朝鮮有事の際、アメリカが攻撃されたら日本がアメリカを守るべき」と、集団的自衛権行使を求める発言をしました。この会談の模様と安倍首相の返答について、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者の北野幸伯さんが詳しく記しています。

トランプ、安倍総理に超重大要求

世界最大の問題は、相変わらず北朝鮮です。日本、アメリカ、韓国は、同じ側にいる。しかし、トランプさんと韓国・文大統領はうまくいっていないようです。なぜ? 9月7日、FNNを見てみましょう。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領をめぐり、先日行われた日米電話首脳会談で、アメリカのトランプ大統領が厳しい言葉で不満をあらわにしている様子が、FNNの取材で明らかになった。

トランプさんが、文さんについて「不満をあらわにしている」そうです。なぜ?

北朝鮮の中距離弾道ミサイルが日本の上空を通過した8月29日の日米電話会談で、トランプ大統領は、北朝鮮との対話にこだわる韓国について、「物乞いのようだ」と痛烈に批判した。
(同上)

トランプさんは、韓国を「物乞いのようだ」と批判した。理由は、文さんが「北朝鮮との対話にこだわっているから。

ま、文さんの気持ちもわかります。朝鮮半島で戦争が起これば、真っ先に攻撃されるのはソウルです。「最低100万人が死ぬ」と言われてる。「最低」ですから、実際は200万、300万と亡くなるかもしれない。文さんが、「何としても戦争を回避しなければ!」「対話で解決しなければ!」と考えるのは、当然でしょう。

で、トランプさんはどうしたか? なんと、安倍さんと電話で話した。

そのうえでトランプ大統領は、軍事的圧力の必要性について、「誰かが伝えなければならない」と語り、安倍首相は、いわば、その意を受けた形で日韓電話会談に臨み、その後に再び日米電話会談が行われている。
(同上)

安倍総理は、トランプさんに頼まれて、文さんに「今は、対話でなく軍事的圧力が必要ですよ!」と伝えた。そして、再びトランプさんと電話で話し。「文さんに、『対話ではなく軍事的圧力が必要ですよ』と伝えました!」と報告した。

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