鳥貴族がとうとう値上げ。改正酒税法で居酒屋業界全体にも波及か

 

鳥貴族などの居酒屋業界はお酒が主力商品で、ラーメン店の日高屋は競合他社と比べてお酒の販売比率が高いとみられるため、お酒の値上げが客離れに直結する可能性があります。そうしたなかでの値上げとなりますが、コスト上昇で背に腹はかえられないと判断したのでしょう。業界を代表する企業が値上げすることで同業他社が追随する可能性があります。

こうした状況もあり、今後の居酒屋業界は厳しさが増しそうです。

日本フードサービス協会が公表している資料によると、「居酒屋・ビヤホール」の市場規模は、この20年間では縮小傾向10年間では停滞傾向にあることがわかります。外食産業全体の市場規模はこの5年間では上昇傾向にあるので、相対的な居酒屋離れが見て取れます。改正酒税法の影響で今後もそういった傾向に拍車がかかる可能性があります。

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居酒屋業界の競争は激しさを増しています。鳥貴族は値上げの影響が今後懸念されますが、今のところ大きく成長している状況です。店舗数は増加していて、8月末時点の店舗数は570店(直営343店、FC227店)にもなります。今後も新規出店を強化すると表明しています。他の居酒屋を駆逐しそうな勢いです。

串カツ田中も急速に店舗数を伸ばしています。店名にもある串カツが主力の居酒屋で、串カツ1本が100円からと手頃な値段が好評を博しています。08年に1号店を開店してから急速に店舗数を伸ばし、5月末時点の店舗数は150店(直営90店、FC60店)となっています。期末となる11月末には171店の展開を計画しています。

鳥貴族や串カツ田中のように好調な企業もありますが、白木屋などを展開するモンテローザのように不調な企業もあります。モンテローザグループの店舗数は激減しています。採用サイトで公表されていた店舗数を確認したところ、4月末までの4カ月間で約150店が減少しています。

モンテローザは後出しジャンケンの形で、人気のある競合他店に似た店を出すことで成長してきた面があります。鳥貴族の快進撃を受けてか、似たような業態店の「豊後高田どり酒場」を16年7月にオープンしました。他にも、「和民」に似た「魚民」、「塚田農場」に似た「山内農場」、「月の雫」に似た「月の宴」などを展開しています。

模倣は悪いことではありません。経営学者のピーター・ドラッカーは、創造的な模倣はイノベーションを起こすと述べています。「創造的」とあるように、上手く模倣を行えば業績を向上させることができます。

モンテローザは模倣で業績を向上させることができたといえるでしょう。名前は違えど人気店に似た店が増えることは、消費者にとっては悪い話ではないからです。ただ、市場が成熟し似たような居酒屋が乱立した結果、本家に勝ることができなかったモンテローザの店が飽きられた面があることは否めません。大量閉店に追い込まれたのはそういった面が少なからずありそうです。

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