前回掲載の記事「秋刀魚くちばし、梨は色。美味しい『秋の味覚』の見分け方とは」では、美味しい秋刀魚(さんま)と梨を見抜く方法を伝えてくれた、無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』著者の須田將昭さん。今回はもう一つの秋の味覚、栗の知る人ぞ知る「真実」を記しています。
味覚の秋 栗の巻
栗はその実のなり方が不思議な果物です。
果物?
そうです。栗は果物です。農林水産省が作物を分類する時に、樹木になるのを果物としているので、栗は果物っぽくないように思いますが果物です。イチゴなどは逆に草花ですから、野菜に分類されます(これまたびっくり?)。
閑話休題。栗は秋に実が成熟するとイガが自然に割れて、中から堅い殻に覆われた果実が現れます。
果実? 皮じゃないの?
そうですね。堅い方を鬼皮、その下の薄い方を渋皮と呼んでいますよね。でも、実はその「皮」だと思っていたところが「果実」なんです。
じゃああの食べている「実」はなんなの? というと、あれは「種子」です。
なんともややこしいのですが、
- 堅い皮・薄い皮 → 果実
- 食べている実 → 種子
ということで、「秋刀魚くちばし、梨は色。美味しい『秋の味覚』の見分け方とは」でとりあげた梨とはえらい違いですね。梨は果実を食べて種子を捨てますが、栗は果実を捨てて種子を食べます。
じゃあ皮は? そう。あのイガが皮だったのです。面白いですね。
さて、栗は、いわゆる「ナッツ」の類ですが、栄養価としては脂肪分は少なくでんぷんが多いちょっと風変わりな食べ物ですね。しかもミネラルが豊富なので、非常にヘルシーです。そろそろ栗ご飯の季節…かな。ただ、皮(ほんとは果実)を剥くのが大変なのですが…。
ふと思ったのですが、いわゆる「種無しスイカ」や「種無しブドウ」などと同じように「種無し栗」なんてできてしまったら、殻だけが残って食べるところがない、なんてことになるなあ…とどうでもいいことを思いました。
ちなみに栗の「種まき」というのは、イガから取り出した状態のものを土に植えることになりますね。あの堅い殻から芽が出てきます。小学生向けの理科の参考書でその図を見ましたが、最初、「実と思っている部分が種子」ということを知るまでは不思議に思っていました。
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