少子化で学生服やランドセルが消滅危機。生き残る術はあるのか?

 

もうひとつは、ランドセルメーカーだからわかるノウハウがあるはずで、それを元にした新商品開発をするという方法が考えられます。

例えば子どもの背中にフィットするのは、などという、子どもに関するノウハウは、一般的なバッグメーカーより多く持っているでしょう。そんなランドセルメーカーが作った「ファッショナブルな次の時代の」「何百万人の子どものデータを元に作った」「必要な容量はコレ」などという商品を作ったら、売れるのではないでしょうか。

ランドセル時代の次のランドセル。ガラケーからスマフォへの進化を彷彿とさせる、次世代の商品をめざしてみては?

ただランドセルってずっと型が変わらないもの。新たな企画を実現できるデザイナーが社内にいるかというところが、事業成功のキーになると思います。

プロモーションについては、基本的にはPR対策しかないでしょうね。

イオンと同等レベルのことができないのであれば、広告を打っても認知が広がることはないでしょう。直販しないのが前提なら、広告で認知を促すのはあまり意味がないとも思います。まあAmazonなどを利用して直販するのも良いと思いますけどね。

いわゆる販売促進にお金をかけるんだったら、ネットが良いのでは。祖父母が資金を出すとしても、子どもの意向を聞いた上で両親が「この商品買って」と祖父母に言うものだと思います。だから両親の年代に届きやすいネットは効果が高いはず。例えばこの方の会社が新商品を作ったとしますよね。デザインが良く、メーカーならではのノウハウも詰まったものだとして、それをきちんとリリースすれば、ネットで評判になると思いますよ。すごく良いなコレ、やっぱりランドセルメーカーってすごいんだな、って。その評判を両親が目にしておばあちゃんに、コレ買ってよって言うのが想像できますね。

いずれにしても商品によってプロモーションの仕方は違うので、まずそれらを語る前に、商品を考えてください。商品がプロモーションに値するかどうかという問題もありますから。

今ならまだ、生き残りへの手立ては間に合うと思います。でもあと10年経って何もしていなかったらもう手遅れでしょう。実際に学生服メーカーはほぼ消滅していますからね。ランドセルが未だ残ってるのは合理性があるから。今のうちに対策を練っておきましょう。

※記事の一部を修正いたしました。

image by: Shutterstock

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