ガンダムがディズニーに勝てない理由は日本の「幼児教育」の失敗

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「ガンダムはディズニーには勝てない」…そう元参議院議員の田村耕太郎さんは言います。その理由とは何なのか。自身のメルマガ『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の中で、日本人の根本的な問題点を語っています。

ディズニーとガンダムの差

勝てない

日本のソフトパワーは稼げないグローバルチームで戦わないから。
うちの娘のクラスの友達のお父さんがディズニーのアジアでのマーケティングの責任者。今日は学校のパーティーでよく話せた。
「ハローキティとか脅威を感じない?」と聞いてみると「素晴らしいね」といいつつも「ごめんね」という表情をされた。
そう、外国人のエリートは他国を絶対に批判しない。それは敵を作りたくないという兵法であって「俺たちはイケてる」と真に受けないことだ。

「ディズニーはミッキーやミニーだけじゃないよ。マーベルを持っているからね。アイアイマンもスーパーマンもバットマンも全部ディズニー」
「じゃあガンダムはどう?」
「シンガポールに来ているね」(と明言をさける)

映画のストーリーからロケ現場まで、多国籍のグローバルチームが、いかに子ども人口が多く成長市場のアジアに合わせて「どうしたら子供をワクワクさせて虜にさせられるか」を考えている。もう完全にチームで組織的に大量の資金を投入してデザインされている。

「日本のコミックにもカッコいいキャラクターはあるよね」と言われるが、彼はそれらが下手したら漫画を描いている作者がストーリーも考え、中にはストーリーは別の人物が考えてはいるが、ローカルで零細的に運営されていることを知っているようだ。

パイロットの神業に頼った日本軍と、ゼロ戦を徹底的に組織で研究し組織力で圧倒してきたアメリカ軍に近い気がした。しかも日米戦争と違い、今はグローバル世界での戦いなので、ディズニーは多国籍軍で組織的にストーリーから関連グッズのデザインまで勝負してきている。

日本はチームワークで戦い、アメリカは個人主義とかいう誤解があるが、そもそも完全に逆である。そしてチーム編成もオールジャパンとグローバルオールスター。勝負は見えている。

それ以前にガンダムとかキティに、ディズニーを倒そうとかいう気合いがあるのか? 私は幼児教育でいう「自信の植え付け」に日本人は完全に失敗していると思う。今やよほどの身の程知らずのアホ以外、アメリカのエスタブリッシュメントに挑戦しようという人物は日本人にいないだろう。アホではダメだ。利口な人間が「自信」を持って冷静に挑まないと。日本人には悲しいかな、その「自信」が植え付けられていないのだ。

音楽配信の世界のスポティファイのように、北欧の起業家にはシリコンバレーやハリウッドを実際に打ち負かす起業家が出始めている。北欧流の教育の成果かもしれない。

色んなことを考えさせられたパーティであった。

image by: Shutterstock

 

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『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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