中古マンションに掘り出し物などない。「好立地なのに安い」ワケ

 

そういった管理不全マンションはいったいどうなるのでしょうか。区分所有者でいることの意味が、資産を持っているというプラス面だけでなく、住めなくなっても建物の管理責任を持つという負の側面もあることがこれから大きく意識されるようになると思います。相続放棄も益々増えるでしょう。

ですから、くれぐれも、立地がいいのに安いからということで、管理状況に不安のある高経年マンションを購入するのはやめましょう。そういったマンションは、すでに、建物の資産価値を維持するつもりがない区分所有者が多い可能性が高いのです。もしくは、何とかしたくても、資金の問題でどうしょうもないのです。今は、何とか住めるようでも、後は坂道を転げ落ちていってしまいます。そういった中古マンションを購入して困っている方もいらっしゃいます。

多数の住戸を所有する地権者が管理していることになっているが、実際には管理放棄で、エレベーターの点検も部品の交換も長らくしていないようだ。何とかしたいが…と相談がありました。

いずれ、解体して更地にしてしまおうと思って賃借人も入れないようにしているようなので、法令違反や管理者の責任という正論をいっても、改善するのは難しいかもしれません。せめて、何とか、住んでいる間は、最低限の安全が担保されるように、交渉ができればと願いますが…。

中古マンションに掘り出し物はないのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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