なぜホンダ創業者・本田宗一郎は、強みもなく頂点に行けたのか?

 

弱者の戦略

ところで、ここで「私には『強みがないから、どうしたらいいのでしょうか」と言う声が聞こえてきそうです。ここから少し、趣向を変えて「弱者の戦略」について考えてみます。この戦略は「弱者の戦略」とは言え「強者」がその地位を「陳腐化させない」ための基本戦略でもあります。

答えとしてごく一般的に言えることで、それは「未だ知られていない」か「知られていても困難であると判断されている」、かつ「顧客が時代が待ちわびている効用」づくりに果敢にチャレンジするこというのがその「始め」です。

「未知である」が故に既存企業は気付いていないか、「困難である」が故にその場所には踏み込まない、そのため「強み」を持つ競合相手はいません。この場所では誰しもが「強み」など持っていないので、先に飛び込むことで「強み」の源泉である「知識」「ノウハウ」「ネットワーク(人脈)」などの「情報的経営資源」を獲得できるはずです(但し、一度それが社会の目に触れかつそれが顧客が喜ぶものであると、次々と新規参入者が現れます。そこでは自身の「強み」を読み切りながら、改善と新たに弱者の戦略を続けることが必要になります。「独楽」と同じで、回り続けなければ倒れます)。

そうしたら「そこは、どこにありますか」「どうしたら、うまく行きますか」と真顔で聞く人が少なからずいます。そこでは、先生はいまだおらず、また教科書(テキスト)もありません。それだからこそ「新人」であっても「弱者」であっても「機会」があり、これこそが「イノベーション(革新)」と呼ばれる「マーケティング」と双璧をなすマネジメント(経営)の基本機能です。さらに言うならば「イノベーション(革新)」が、経済活力の源泉です。

また一般的にという言葉で続けますが、先端的な事業で中堅企業に成長した企業としては、トヨタに始まりホンダ、パナソニック、ソニー、シャープ、京セラ、日本電産、キーエンスやさらに任天堂、ソフトバンク、楽天またさらにヤクルト、日清食品、セブンイレブン、クロネコヤマト、ユニクロに至るまで数限りなく多くあり「弱者は時代を先取りすることで興隆してきました。これらの企業すべてが「時代の兆し」を嗅ぎ分けて、他にすがることなく自力で「強みを構築して「無人の野」に基盤をつくり上げました。

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