恐ろしい中国。「社会主義帝国化」宣言した隣国は世界を支配する

 

つい最近まで、「中国経済崩壊」を唱える専門書が一大ブームとなり、メディアでも中国経済の危機が広く伝えられました。しかし、今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんはこの説に疑問を呈しています。「一帯一路」という国家政策で国有企業の勢いが増していると分析する、津田さんの考える今後の中国とは?

中国の社会主義帝国化でどうなる

中国は第19回中国共産党全国人民代表者大会で、今後5年間の重要方針と常務委員会委員が決まった。それを見て今後の世界を検討する。

中国の隆盛

中国の経済的な隆盛が顕著になっている。日本の中国専門家が中国崩壊を言っているが、それは見事に裏切られている。日本人の多くは、崩壊本の影響で、中国は将来、没落するとみているので、実態を理解できない。

中国の経済規模はGDPで1200兆円にもなり、日本のGDP500兆円の2.4倍になり、米国の経済規模GDP1800兆円の2/3にまで迫っている。

中国の経済をけん引しているのは、民間企業ではなく、国有企業になっている。最先端技術分野は民間企業がイノベーションを起こし、国有企業は一帯一路の国家政策で潤っている。当初、李克強首相の民間企業中心での経済発展という路線を、習近平は国有企業中心の経済発展に路線を変更した。

このため、国有企業の利益総額は前年同期比24.9%増の2兆1788億元(約37兆2583億円)に達し、収入と利益は引き続き比較的速い伸びを示している。民間企業は、利益伸び率が10%程度であり、現在中国経済拡大をけん引しているには、国有企業である。

中国は、スマホ、ドローンや電子決済、ECサイト、EVなど、ネットや技術の発展が著しいが、それは民間企業であり、しかし、それより、国家政策である一帯一路の方が国有企業の規模拡大に寄与している状況である。第19回党大会の決議は、『一帯一路建設の推進などを党規約に盛り込むことも明確にした。

ドイツなどの西欧まで鉄道貨物で安価に早く輸送できるようになり、中国と欧州の間の貨物が激増している。東欧では中国の安い商品が買え、中国は西欧の高い品質の製品を買えることになり、貿易が活発になっている。

振り返って、日本は液晶分野やスマホ、ネット決済分野、EVで世界から遅れだしている。この10年間、新しい技術製品がなく、中国の新産業政策とは違いアベノミクスの成長戦略で、新しい産業を作れていないのである。日本はGDP維持のために量的緩和に頼り衰退の一途を進んでいる。

どうして、国家戦略として水素社会を作り、農業改革をしないのであろうか?アベノミクスの成長戦略として、当初は改革をすることになっていたが、すべて中途半端な状態でやめてしまった

ということで、中国は米国に迫る勢いであり、世界の盟主争うことになっている。国家成長戦略・産業政策の優劣でここまで大きな差が出てしまっている。このため、アベノミクスは失敗であると思っている。日本産業の機会損失が大きすぎる。

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