共産党全国人民代表者大会で決まったこと
10月18日から開催された中国共産党全人代第19回大会が同月24日、閉幕した。習近平は、国家主席になった時点で「中華民族の復興」を目指すとし、今回の党大会で党規約の「行動指針」に「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を盛り込んだ。党規約で「行動指針」として、個人名が記されているのは建国の父の「毛沢東思想」と改革開放路線に導いた「トウ小平理論」だけ。
トウ小平が目指した中国発展のために「黒猫でも白い猫でも獲物を得た猫が偉い」いう資本主義的な思想と「爪を隠し、才能を隠して、内に力を蓄える」ことを強調した深慮遠謀は捨て去り、再度、社会主義に戻り、国民全体の所得を上げるために、不正所得を得ていた企業トップや党官僚の腐敗を取り締まり、民間企業にも共産党委員会を作り監視する体制にして貧富の差を縮小しようとしているし、周辺諸国には迷惑であるが爪を研ぎ、力を見せる強大国化路線に転じるようである。
このような政策であることで、大衆の支持も得た習氏は昨年10月に毛、トウ両氏や江・元国家主席と同様に「党中央の核心」の地位を得た。今回の大会で毛沢東しかついていない党主席になるかと思ったが、それは実現しなかったようである。
今回の党大会冒頭の政治報告でも、習氏は「中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう」と強調した。今後も世界の盟主になることを目指し、世界各地に中国旋風を吹きかけることになりそうである。
中国は独裁国家に対して、内政不干渉として、権力者に賄賂を贈り中国の権益を確保してきた。莫大な金を世界にバラマキ、また、中国の金欲しさに西欧まで、中国非難をできなくなっている。とうとう、日本も大規模な貿易になり、軍事バランスが中国有利となり、安倍首相も日中友好を進めざるを得ないようになっている。
このように、世界的に、中国にモノが言えないような雰囲気になってきた。