東大タレントが教える、新大学入試制度に重要な「3つの力」とは

 

3、ブレない不動心

2020年度に大きく変わる、と聞くと、初めて大学入試を経験する受験生たちは、一体なにが起こるんだろう、対策はどうすればいいのだろう、と不安になってしまうかもしれません。

でも、そういう時こそ、動かない冷静さが必要です。

センター試験の形が変わったとしても、大学別の二次試験の対策をしている人からしてみれば、もうすでに十分対策をねっているので、たいした変化には思わないかもしれません。

知識にかたよった問題がへって、そのかわりに、自分の頭で考える力が必要な問題が増える、と言ったって、そんなことは何十年か前から徐々にシフトしてきていることであって、本質的には急激に大きく変わるということでもありません。

私が受験生だった十年以上前から、

「新しい問題を解決する思考力が必要!」
「自分の言葉で簡潔にまとめて表現する力が必要!」
「受け身ではなく主体的に、積極的に自ら学びとる姿勢が必要!」

と何度も繰り返し言われ続けてきました。

だから、今に始まったことではないように感じるのです。

受験といえども、関わっているのは学問。

学問の本質は、やっぱり根本的には揺るがない気もするのです。

それに、受験には、答えがあります。採点基準があります。

答えの用意された世界だから、大枠は決まっているはずで、それに自分を合わせていけばクリアしやすいと思います。

社会に出てから仕事をすると、答えがない世界が待ち受けている。

学問を追究して研究をすると、答えがみつからない世界がたちはだかっていて、真実があるのかないのかさえ分からないような深い世界が広がっている。

そうした社会への扉、研究への扉をひらくのが、受験。

受験には、人間が作った答えがある程度用意されているので、そんな難しく考えなくても、やるべきことをやれば、大丈夫。

やり方を間違ったり、見当違いのことをやって遠回りしたりしなければ、いつかはたどり着けると信じられる。

だから、ブレない不動心を持っていることが大切だと思うのです。

入試の方式が、目に見える形で多少変わったとしても、できる人はどんな形式でも勝ち残っていくだろうし、表面のことだけに惑わされずに本質を見抜くことが大事ではないでしょうか。

自分も長年の受験生活を経験して、さらに自分の周りをみていると、日本の受験戦争は、小学4年生くらいから本格的に始まるような気がしていて、中学受験という第一関門を突破してから、そのままの流れで大学受験もわりとうまくいく人が多いように感じています。

そのためには、なるべく早くから子供に適した環境づくりが大切で、受験をする道を歩みたいのであれば、幼少期からの家庭教育で差がつくし、小さいうちから学習習慣を自然と身に付けることが大切だと思います。

2020年度からどのように入試や教育が変わっていくのか、楽しみでもあり、期待する心もあります。

きっと時代に即した良い方向へ向かっていくような予感がしているので、動向を見守りながら、今後の学習や教育にいかしていければと思います。

image by: Shutterstock

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