アメリカは、すでに戦争開始を決めた?
北朝鮮問題については、大きく二つの立場があります。「圧力強化」を進めるアメリカと日本。「対話」を主張する中国、ロシア。なぜ、中国、ロシアは、金正恩との対話を呼びかけるのでしょうか?
中ロは、アメリカの同盟国韓国が、朝鮮半島を統一することを望んでいません。北朝鮮は、アメリカの「侵略」を止める「緩衝国家」である。だから、金正恩がクレイジーに見えても、守らなければならない「地政学的理由」がある。あるいは、金正恩を排除して、中国傀儡政権をたててもいいのです。
ところで、いろいろなところから、「アメリカは、戦争を決意した」という話が聞こえてきます。理由は? アメリカ国防総省は、「北朝鮮がアメリカ全土を核攻撃できるというのは、現時点でブラフである。しかし、来年にはブラフでなく現実になる」と見ている。「アメリカは、クレイジーな北朝鮮が、いつでもアメリカを核攻撃できる状態にあるのは容認できない」と。それで、「戦争を決意している」と。ロシアの番組を見ていると「アメリカは戦術核を使う可能性がある」と報じられています。中国、ロシアが北朝鮮制裁を支持しているのは、アメリカが戦争を開始するよりは、「マシだ」ということでしょう。
米中は、「朝鮮戦争後」を協議している
ちなみにアメリカと中国は、「朝鮮戦争後」について協議しています。
<米中>朝鮮半島有事で協議 核確保手段など詳細に
毎日新聞 12/13(水)21:29配信
【ワシントン会川晴之】ティラーソン米国務長官は12日、ワシントン市内で講演し、朝鮮半島有事に備え中国と詳細な危機対応策を詰めていることを明らかにした。米軍が休戦ラインの38度線を越え北朝鮮に侵攻した場合、いずれ韓国側に撤退すると中国側に確約したほか、核拡散防止のため、北朝鮮が数十発保有すると見られる核兵器の確保手段についても「中国と既に話し合った」という。
大事なポイントは、
米軍が休戦ラインの38度線を越え北朝鮮に侵攻した場合、いずれ韓国側に撤退すると中国側に確約した
ですね。なぜこれが大事?
既述のように、中国は、「アメリカの同盟国韓国が朝鮮半島を統一するのを望んでいない」「緩衝国家の消滅を望んでいない」でした。アメリカは、「非核化はするが、中国の緩衝国家は残す」と確約したと。これは、戦争時、中国が北朝鮮を支援しないようにしているのです。「俺たち(アメリカ)は、中国の利益も尊重するから、北朝鮮を助けたり、邪魔しないでね!」と。
日本は、アメリカ、中国がこのような協議を行っていることを歓迎すべきです。なぜ?