世界中にカネをばらまく中国に対し、日本はどんな対抗をすべきか?

 

日本が、時間と金を投入すべき対象は???

1番は、もちろん同盟国のアメリカです。日米関係が強固であれば中国は尖閣強奪に動けません。実際、2010年の「尖閣中国漁船衝突事件」のとき、2012年の「尖閣国有化」のとき、人民解放軍は、尖閣侵攻を検討していた。しかし、二度ともアメリカ政府高官たちが、「尖閣は、日米安保の適用範囲だ!」といった。それで、決心できなかったのです。ですから、日本は、アメリカとの関係が強固であるよう、常に努力していく必要がある。

アメリカと同様に大事なのがインドです。アメリカは、落ち目の覇権国家。影響力は、毎年小さくなっています。ですから日本は、「未来の同盟国」のことも考える必要がある。インドは近い将来必ず米中に並ぶ大国になる国。日本と同じ民主主義国家で親日。さらに、中国と問題を抱えている日本は、全力をあげてインドの発展を支援すべきです。それは、日本企業に利益をもたらすだけでなく、日本国を安全にします。

アメリカとインド。この二か国が日本にとって「最重要国家」です。そして、米印を味方につけるのに、「中国に匹敵するGDPがなければ」なんてことはありません。

次に大事なのは、欧州とロシア。次の次に大事なのは、ベトナムフィリピンオーストラリア台湾など、中国に脅威を感じている国々。極端な話、世界200か国のうちで、日本が時間と金をかけなければならないのはこのくらいです。他の国々が「重要でない」とは言いませんが、やはり重要度は低くなります。

中国は、世界に金をばら撒く力がまだある。日本は、河野さんも認めているように、そんな金はない。それなら、「影響力のある国」「大事な国を中心に金を使うしか方法はありません。だから、中国が世界中に金をばら撒いていても、心配することはないのです。

イスラエルは、「アメリカを取り込んでいる」というその一点だけで、サバイバルしています。GDP世界3位の日本は、アメリカ、インド、欧州、ロシアなどを取り込むことで、きっとサバイバルできるでしょう。限られた金でも有効に使うことで、日本の安全を確保することは可能です。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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