ちなみになぜオーダーメイドやカスタマイズサービスがこれまで主流では無かったかと言うと、単純に「高い」から。それは一点一様の物作りであり、例えばスーツをオーダーしようと思ったらそれは金額的に敷居の高いものでした。
とはいえ店側にとってオーダーメイドとは利益率が高く、受託生産ですから在庫を持たなくて良いというメリットがあります。出来れば拡大させたい商品だったわけです。ですが「高い」ですからよほどの強みや付加価値が無ければやりたくてもやれないという問題もありました。
しかし今、その壁がITやネットの力でどんどん取り払われています。パラダイムシフトが起こって、オーダーメイドの存在が「高く難解な物」から「安くて便利な物」へ移行して行きます。特に消費者にとってはより安く満足度の高い商品を手に入れる事が出来るようになります。
例えば、最近私の目を引いたのがZOZOTOWNという衣類販売サイトが無料で配り出した「ZOZOスーツ」という商品です。昨年11月に発表された直後に私も即買いしました。これは体の寸法を瞬時に採寸するセンサー内蔵のボディースーツであり、ZOZOTOWNはこのスーツによって計測したデータから自分の身体に合ったPB商品を今後販売する予定です。
コレの何が凄いかと言うと、これまでのオーダーメイド衣類は一点一様でお店でスタッフに採寸されなければいけませんでした。そしてそのデータはお店の所有物だったわけです。更に体形が変わればデータも取り直しとなる為、その場限りの物でした。しかしこのスーツを使えば一瞬で何度でも、自宅で自分の体形を数値化出来ます。
またこうした商品は資生堂も開発していて、気候や体調で変わる肌の状態をモニタリングし、それに合う化粧品を提供する専用マシンを今後販売する予定との事。
いずれもポイントは同じで、これまで一番のネックであった「お店のスタッフが時間をかけて採寸(判定)する」という手間を省き、予め準備しておけるPB商品を即座に消費者へ届ける事が出来るという点に有ります。