ダイエー消えてもドムドムは不滅。6年ぶり新規出店で復活目指す

 

それではこれからドムドムの競争戦略を考察していきたいと思いますが、そのために競争戦略上重要な要素となるドムドムのハンバーガーの価格帯をここで確認しておきます。ドムドムのハンバーガー単品の価格帯は200~460円程度です。ドリンクMサイズ・ポテトフライMサイズのセット(以下、Mセット)だと530~790円程度になります。

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公式サイトのメニュー一覧より。コアなドムドムファンが復活を熱望していた「お好み焼きバーガー」もレギュラーメニューとして9月1日より販売

一方、競合のマクドナルドのハンバーガー単品(セットにできるものに限る)の価格帯は200~490円程度です。Mセットだと500~790円程度になります。価格帯はドムドムとあまり変わりはありませんが、マクドナルドは100円のハンバーガーやドリンク、スイーツが充実しているので、マクドナルドの方が安いイメージがあると言っていいでしょう。また、扱っている品目数がドムドムを圧倒しています。

マクドナルドは14年7月に発覚した期限切れ鶏肉使用問題で客離れが起きましたが、それから3年半が経過し、いまは客足が戻りつつあります。既存店売上高は17年12月までで、25カ月連続で前年を上回っています。店舗数は減少傾向にあるものの、それでも全国で約2,900店を展開しドムドムを圧倒しています。

ドムドムとマクドナルドはほぼ同時期に日本に上陸しました。しかし、明暗はくっきり別れています。前述した通り、ドムドムの退潮はダイエーが衰退したことが大きく影響したのですが、一方でスタートの切り方も大きく影響したと考えられます。

前述した通り、ドムドムは第1号店を町田に出店しましたが、マクドナルドは東京・銀座に出店しています。日本マクドナルドの創業者である藤田田氏は銀座でのスタートにこだわりました。かつて新しい文化が奈良や京都から全国に広がっていったように、マクドナルドも日本の文化の中心地である銀座からスタートした方が全国に広がると考えたためです。この読みは当たり、銀座の1号店は開店当初から若者や家族連れを中心とした客が押し寄せ、開店2~3カ月も経つと日商が100万円を突破するようになったといいます。

日本マクドナルド「おかえり!マッククルー」公式HPより。東京・銀座に「開店したマクドナルド日本1号店の様子

日本マクドナルド「おかえり!マッククルー」HPより。1971年東京・銀座の三越に開店したマクドナルド日本1号店の様子。当時はテイクアウト専用だった

一方、ドムドムはローカルハンバーガーチェーンの域を出ませんでした。ダイエー系列のスーパーに多く出店したため、主婦や家族連れを取り込むことはできたものの、ブームの火付け役となる若者を取り込むことができなかったのです。

また、マクドナルドがアメリカから渡ってきたのに対しドムドムは日本企業のダイエーが開発したという発祥の違いも影響しました。当時はアメリカに強い憧れを抱く人が多かった時代だったので、多くの人がマクドナルドを憧れの眼差しで見たのです。その影響は現在の感覚では計り知れないものがあるといえるでしょう。

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