長く働いても豊かになれない
日本人は、本当に勤勉です。これは、文句なしの美徳でしょう。そして、80年代までは、「働けば働くほど豊かになる」という現実も確かにありました。しかし、バブル崩壊後の28年間、「長く働いても、豊かになれない」時代になっています。
一つ証拠をあげておきましょう。日本の一人当たりGDPは、かつて世界2位でした。しかし2016年、世界22位まで下がっています。一方、年間労働時間は、1,746時間。長い方から15位。
他の国を見てみましょう。OECD2012年のデータによると、世界で9番目に労働時間が短い国は、スウェーデンです(年間平均1,621時間)。そのスウェーデンは、一人当たりGDP世界12位です(2016年)。世界で8番目に労働時間が短い国は、ルクセンブルグです(年間平均1,609時間)。ルクセンブルグ、一人当たりGDPは、世界1位(!)です。世界で7番目に労働時間が短い国は、ベルギーです(年間平均1,574時間)。ベルギー、一人当たりGDPは、世界20位です。世界で6番目に労働時間が短い国は、アイルランド(年間平均1,529時間)。アイルランド、一人当たりGDPは、世界5位です。世界で5番目に労働時間が短い国は、デンマーク(年間平均労働時間1,526時間)。デンマーク、一人当たりGDPは、世界9位です。世界で4番目に労働時間が短い国は、フランスです(年間平均労働時間1,479時間)。フランス、一人当たりGDPは、世界24位です(初めて日本より下が出ました)。世界で3番目に労働時間が短い国は、ノルウェーです(年間平均労働時間は1,420時間)。ノルウェー、一人当たりGDPは、世界3位(!)。世界で2番目に労働時間が短い国は、ドイツ(年間平均1,397時間)。ドイツ、一人当たりGDPは、世界19位です。世界で1番労働時間が短い国は、オランダです(年間平均1,381時間)オランダ、一人当たりGDPは、世界14位です。
こう見ると、「日本より、かなり労働時間が短く、日本より、一人あたりGDPがかなり上」の国が、たくさんあることがわかります。
というわけで、日本政府は、「長時間労働是正」をがんばって欲しいと思います。これは、「少子化問題解決」「未婚化、晩婚化解決」「日本人の健康」「夫婦、家族円満」などにも関わる重大事。そして、「日本政府は、企業が労働者を長時間、低賃金で酷使しているのを黙認している」というのは、日本の評判に関わる大問題です。
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