習近平が尊敬するプーチンから伝授された、絶対権力者になる方法

 

もともと「巨大な権力欲」をもっていた習近平

近藤大介先生の名著『パックスチャイナ  中華帝国の野望』に面白い記述があります。習近平には、尊敬する人が3人いるというのです。一人は、習仲勲さん(元副首相)。習近平のお父さんです。父親を尊敬しているのは、立派です。

二人目は、毛沢東。習近平の毛沢東崇拝は、尋常ではないそうです。中華人民共和国建国の父・毛沢東。神格化を進めた独裁者として知られています。文化大革命や大躍進政策などの大失敗でも知られている。大躍進政策の失敗で、2,000~5,000万人餓死したとか。一方で、アメリカと和解し、中国発展の基と築いたともいえます。習近平は、「神格化を進めた絶対権力者」毛沢東を異常に尊敬している。このことは、私たちを不安にさせます。

三人目は、プーチン。プーチンは、2000年に大統領になり今年で18年目(08~11年は首相)。今月の選挙で勝利し、また6年大統領でいることでしょう。習近平は、プーチンを(独裁者の)「として尊敬しているそうです。彼が国家主席になって初めてプーチンと会った。そのとき、プーチンは、気前よく習に「絶対権力者になる方法を伝授した。その方法とは、「エネルギー部門を掌握せよ!」でした。実際プーチンは、石油最大手ロスネフチとガス最大手ガスプロムを支配しています。プーチンは習に言いました。「私がエネルギー産業を掌握している限り、ロシア政界に波風は立たない」(『パックスチャイナ  中華帝国の野望』p56)。

というわけで、習は、毛沢東を目指し、プーチンを先生として、最初から絶対権力者になることを目指してきた。今起こっていること、彼の中では「予定通り」なのです。

ニーチェは、「人間の本質は、権力(あるいは力)への意志だ」と言いました。そうなのかな? と思います。確かに、「できれば東大」「できれば大企業」「できれば社長」という人はたくさんいるでしょう。一方で、「いや、競争しないほうが気楽でいいです」という人もいますね。要は、「人それぞれ」だと思うのですが。

しかし、習近平は、どう見ても「巨大な権力欲をもともと持っている人なのでしょう。

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