さて、「時は金なり」といいますが、私はこの天引き法は、お金だけではなく、時間についても応用が利くのではないかと思っています。時間は形がないもので、流れていくものですから、それ自体は「貯める」ことができません。しかし、ただ流れるにまかせるのではなく、限られた時間のうち、一部を必ず「投資」していくという考え方は可能ではないでしょうか。
私たちは1日24時間の時間の中、仕事や遊び、睡眠などのスケジュールを決めています。しかし、目の前のお金を使ってしまうように、時間もまた浪費しがち。必ずしもしなくてよいこと、今やらなくてもいいことまで、目の前の24時間に詰め込んでしまいます。
そこで、強制的に時間を「天引き」します。たとえば「一日は22時間だ」と考えて、スケジュールしていきます。そして、残りの2時間には、絶対に予定を入れず、最初からないものとして、残りで「やりくり」していくのです。そして、残りの2時間は、長期的に役に立つ学習など、将来のための自己投資をしていきます。
もちろん、これは単に考え方の問題にすぎません。自己投資の時間を、毎日直接スケジューリングしても、同じ結果が得られるとも考えられます。しかし、忙しい毎日の中、自己投資のような、短期的な成果につながらない時間は、ほかの外せない(ように見える)用事に押し出されてしまうものです。
発想を転換し、早くから与えられた時間の一部を投資する習慣をつけることによって、長期的に、預金に利息が付くように、大きな成果となって表れてくれるのではないでしょうか。
ぜひ、天引き法による貯蓄で、「時間富豪」を目指してみては、いかがでしょうか。
「真の成功には速成というものはない。ただ除々に確実に急がず休まずに進む以外に名案良策はないのである」本多 静六
今回は、ここまでです。
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