しまむら、都市部出店の本格化でユニクロ・GU連合と全面戦争へ

 

しまむらは1953年に創業。地方の主婦をメインターゲットとし、主に郊外のロードサイドや住宅街に出店し成長してきました。2002年に全47都道府県に出店を果たし、03年にはグループで1,000店を達成。06年にはしまむら業態だけで1,000店体制を構築しています。

しまむらはユニクロのようなSPA(商品の企画・生産から販売までを自社で一貫して手掛けるビジネスモデル)ではなくメーカーから商品を仕入れて販売するビジネスモデルを採用しています。多数の取引先から多種多様の商品を仕入れ、バイイングパワーを生かして低価格で販売しています。

しまむらは次第に人気を博すようになりました。全身をしまむらでコーディネートする「しまラー」と呼ばれる若い女性がメディアで取り上げられたり、掘り出し物を求めてしまむらの店舗を訪れる「しまパト」(しまむらパトロールの略)で見つけた商品をネット上にアップして盛り上がる人が続出するなど、しまむらならではの消費文化を生み出してきました。

しまむらの業績は右肩上がりで成長しています。リーマン・ショックの影響で09年2月期は前の期からわずかに減収となったものの、それ以降、17年2月期まで8期連続で増収を続けています。17年2月期の売上高は5,654億円、最終的な儲けを示す純利益は328億円です。ユニクロを運営するファーストリテイリングを追撃しています。

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ただ、これまで通り郊外のロードサイドを主戦場にしていてはいずれ成長が止まってしまうでしょう。郊外ロードサイドでの出店は一巡し、飽和状態に達した感が否めないためです。

一方、都市部は開拓が遅れています。逆に言うと、開拓の余地がまだまだ沢山あると言うことができます。いずれにしても、成長を続けるためには都市部でのさらなる出店が欠かせないといえるでしょう。

このように、しまむらは都市部での出店に課題があるわけですが、とはいえ、まったく手をつけていないわけではありません。11年ごろから都市部での出店を強化しています。

たとえば、「しまむらアクアシティお台場店」(東京都港区)、「しまむら津田沼パルコ店」(千葉県船橋市)、「しまむら博多バスターミナル店」(福岡市)はいずれも都市部にある商業施設などの大型施設内にあります。しかも、いずれも鉄道の駅からすぐ近くの立地です。都市型店舗の典型例といえるでしょう。

このように、しまむらも都市部での出店を着々と進めています。とはいえ、その数はそれほど多くはありません。

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