しまむらの今後の出店のお手本になりそうなのがユニクロです。ユニクロはしまむらと同様、初期の頃は主に郊外ロードサイドで成長を遂げてきましたが、やがて都市部にも積極的に出店するようになりました。しまむらの先を走っているといえます。
ユニクロは98年に首都圏初の都市型店舗「ユニクロ原宿店」を東京・原宿に出店したのを皮切りに、12年には「ユニクロ銀座店」(東京都中央区)を出店するなど都心の超一等地にも積極的に出店してきました。また、都市部の商業施設への出店も進んでいます。
しまむらがユニクロのように銀座や新宿、原宿といった超一等地や都市部の商業施設に積極的に出店することになったら面白いことになりそうです。
ただそうなった場合、価格帯やファッション性の観点から考えると、大きな競争相手となるのはユニクロよりもむしろユニクロの姉妹ブランドのGUになると筆者は考えます。
GUの1号店が誕生したのは06年。ユニクロの7割程度の価格で衣料品の販売を始めました。09年に990円のジーンズの販売を開始して大ヒットし、価格の安さを世間に印象付けることに成功しています。
GUはユニクロとバッティングしないよう、価格帯のほか、品ぞろえの面でも違いを打ち出しています。ユニクロはベーシックアイテムを基本とし、若者はもちろん幅広い層をターゲットとしているのに対し、GUは流行を取り入れたファッション性の高いアイテムを多く取りそろえ、若い女性をメインターゲットにしています。
しまむらもGU同様、流行を取り入れたファッション性の高いアイテムが多く、やはり若い女性をメインターゲットとしています。価格帯はGUと同程度と言っていいでしょう。そのため、競合度はユニクロよりもGUのほうが高いといえます。
GUの国内店舗数は約380店。郊外ロードサイドに加え、都市部の商業施設にも積極的に出店し、銀座や新宿、心斎橋といった超一等地にも出店を果たしています。都市部での出店という観点ではGUもしまむらの一歩先を走っているといえるでしょう。
しまむらが今後都市部での出店を強めていくことになれば、しまむらとGUが競合するケースが増えていきます。そうなれば、両者は激しい競争を繰り広げることになるでしょう。その場合、どちらに軍配が上がるのかが気になるところです。
店舗経営コンサルタントの視線で企業を鋭く分析!
毎日更新されるブログはこちら
image by: MAG2 NEWS