「妻死去時に夫が55歳以上でないと遺族年金が貰えない」は本当か

 

じゃあ次は、夫。

2.昭和34年2月23日生まれの夫(今59歳)

この男性の生年月日からだと、厚生年金支給開始年齢は63歳で国民年金からの老齢基礎年金は65歳から。

厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

63歳から100万円(月額83,333円)の老齢厚生年金と、65歳から70万円の老齢基礎年金が貰えるものとします。なお、この男性は65歳までは厚生年金に加入して働くものとします。給与(標準報酬月額)は30万円で働くものとします。

さて、妻が平成30年8月31日に厚生年金加入中に死亡した事により、遺族厚生年金の受給権が平成30年8月31日に発生し請求しました。18歳年度末未満の子は居ないものとします。また、妻とは生計維持関係あり。

※ 注意

生計維持関係っていうのは簡単に言うと死亡者と同居してて、遺族年金請求する人(この事例だと夫)の前年の年収が850万円未満(または前年所得が655.5万円未満)の場合を指すので、扶養されてた~とかいう意味とは異なる。

  • 遺族厚生年金額→(27万円÷1,000×7.125×160ヶ月+25万円÷1,000×5.481×180ヶ月)÷4×3=(307,800円+246,645円)÷4×3=415,834円月額34,652円

が発生。

で、ここで男女の制度差が出てくるんですが、夫が遺族厚生年金を貰う場合は妻死亡時に夫は55歳以上であり、また原則として支給される場合でも60歳になるまで待たないといけない。妻が貰う場合はそんな年齢条件は無い

また、死亡した妻には240ヶ月以上の厚生年金期間がありますが、その場合に加算される中高齢寡婦加算584,500円は夫には加算されない。その名の通り寡婦にしか加算されない。だから、支給されるのは夫が60歳到達した月の翌月から遺族厚生年金415,834円(月額34,652円)の支給が発生する。

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