『14万年』と言われたら、何を想像しますか?
地球の歴史を想像する人もいると思います。実はこの数字、1989年にタイで2億400万ドルの詐欺容疑で逮捕された犯人に言い渡された懲役の年数なのです。
年数が長すぎて、裁判官が適当に決めたようにも感じますが、正式な裁判を経て決定されました。ギネスブックにも最長の懲役年数として記録されています。
また、他にも懲役が数万年や数千年を超すケースも実在しています。しかし、冷静に考えて、事件を起こした時点から、100年以上生きるのが難しいことは明らかです。
それなのに、このような長い年数を課す意味があるのでしょうか。この記事では、懲役が100年を超える理由をご紹介します。
外国の懲役が長くなる理由
外国では、1人の犯人が犯した個々の罪の懲役を合算します。また、被害者が多ければ、その分罪の数も多くなりますので、懲役の期間も長くなる傾向にあるのです。
このように、刑罰を合算し執行することを『併科主義』と呼んでいます。
例えば、3人に暴力を加えた上に、そのうちの1人から金品を奪った事件があったとします。犯人は、3人分の暴行罪と1人分の窃盗罪を合算した懲役を受けることになるのです。
国によっては、死刑判決が認められていないため、死刑の代わりに懲役を長くせざるをえないというケースがあります。
また、どんなに極悪非道の犯罪者でも、服役中の態度が優秀などの理由から減刑が認められることがあります。
凶悪犯が減刑によって、釈放しないようにするために、懲役が長くなるケースもあるようです。
服役中に亡くなったら残りの刑期はどうなるの?
例えば、懲役1万年に対し、50年の時点で亡くなった場合、死体を残りの9,950年間も刑務所に安置しておくわけにはいきません。
なので、服役中に亡くなった場合、残りの刑期も自然に消滅します。
まとめ|懲役年数が数百年を超えたら釈放されることはない?
外国の懲役が驚くほど長くなるのも、併科主義で犯人をできるだけ釈放しないためだったのです。しかし、懲役の長い犯人が釈放されることは絶対にないのでしょうか。
1972年のスペインでは、懲役が30万年以上減刑された例があります。この犯人は、配達員でありながら約4万通の郵便物の配達を怠り、逮捕されました。
1通につき9年の懲役だったため、言い渡された懲役年数は38万4,912年…。減刑されても懲役年数は7,109年ありますが、このように大幅な減刑が認められるケースがあるのです。
懲役年数が数百年を超えていても、くり返しの減刑により、数十年で釈放される人もいるかもしれませんね。興味があればぜひ調べてみてください。
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