3番目は、今回の西日本豪雨のために、多くの河川ダムや砂防ダムに異常な量の土砂が入っているということです。土砂が入って、それでもダムが決壊していないのであれば、所定の性能を発揮して、下流の被害を食い止めたということは言えます。
ですが、今回の被災で土砂が満タン近く入っているとなると、次の降雨時には新たな土石流を受け止める容量はないということになります。というよりも、降水量を受け止めるキャパも減っていて、大変に危険な状態と言えます。
所轄官庁である国交省などは、既に試算を始めていると思いますが、河川ダムも、砂防ダムも、今回の被災で「決壊しなかった」場合でも、溜まった土石を除去する浚渫(しゅんせつ)の作業は、絶対に必要です。
先ほどのように簡単な数字を使って説明しますと、容量が100のダムに、50の土石が入っていると、キャパシティは半分になっているからです。そして、決壊したダムについては、正に危険箇所であるわけですから、再建しなくてはなりません。
現在は、被災地での生活の復興が最優先ですが、こうしたダムの再建や浚渫にかかる費用について、国としてしっかり検討することは必要になって来ると思います。
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