中国のiPhone「台湾の旗」で即クラッシュ。アップルへの圧力はあったのか

 

中国の、世界各国の民間企業に対する「一つの中国を強制する態度は、このメルマガでも再三紹介してきました。アメリカのマリオットホテルグループ、シャネルやブルガリなどに、ホームページなどで香港や台湾の表記に中国をつけることを強制

また、世界30以上の外国航空会社に対し、台湾や香港マカオを中国の一部ではないとする情報をウェブサイトなどから削除するよう要求。最近では、JALとANAがホームページなどで台湾を「中国台湾と表記するように強制した例があります。JALとANAの件について、台湾側が抗議したことについて中国が「身の程知らずのことをしないほうがいいと台湾当局に忠告する」、と恫喝したオマケまでついています。

台湾抗議「身の程知らず」 「中国台湾」表記 中国外務省

今回、iPhoneの報道で明らかになったのは、中国は民間各社のホームページでの表記を変えさせるだけでなく、iPhoneのシステムにまで注文をつけていた可能性があるということです。台湾または中華民国の国旗に関するものを受けたとたん、受けた側のアプリがダウンするという設定にするよう、中国がアップル社に依頼していたとしても、不思議ではありません。

そのことは、中国の執拗なまでの国際社会からの台湾排除の動きを見れば、わかります。

もちろんアップル社は、中国の指示によりそのようにしたと認めるわけがありません。ただ単にバグを修正したとの見解を述べています。しかし、どう見ても台湾を意図的に狙い撃ちしか思えません。中国からの指示がなかったとすれば、それは「忖度したということなのでしょう。

記事にもあるように、アップルは中国国内のユーザーのデータを今年3月中国に移動させました。中国が外国企業に対して、データを中国国内に置くように要求し、法律をつくったからです。これにより、中国人ユーザーのネット上での活動が中国側にすべて把握される可能性が高まりました。このときも、アップルに対する批判が巻き起こりました。

アップル、再び中国に屈する iCloudのデータを中国企業に渡した「罪」と「打算」

また、2017年には、中国政府が遮断している海外のサイトにつながることができるVPNソフトを、中国政府の要求に応じてアップルストアから削除するということもありました。

そして今回の「事件」ですから、中国からの何らか関与があったことを疑うなというほうが無理というものでしょう。

一応、アップルも中国からのすべての要求を飲んでいるわけではなく、これまでも、これからも不当な要求はすべて拒否するとアピールしています。ただ、中国の正当な法的要求には応じるようです。

中国は法治主義ではなく、人治主義の国です。民主主義的な議論などありませんから、自分たちの都合にいい法律をすぐにつくってしまいます。なにをもって「正当」「不当」といえるのかも不透明です。

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