中国のiPhone「台湾の旗」で即クラッシュ。アップルへの圧力はあったのか

 

それにしても、アップル社にとって、理不尽な中国の要求を呑むかわりに、どんな見返りがあるのでしょうか。もちろん、中国の要求に妥協するのはアップルだけではありません。台湾を国扱いしたということで、中国から批判を受けた外資企業が謝罪するケースがここ最近、目立っています。

台湾を「国扱い」、外資企業が次々謝罪 中国で批判受け

それほど中国市場は、民間企業にとってまだまだ魅力的だということなのでしょう。

ただ、中国のこうした偏執的とも言える強要行為がエスカレートすればするほど、営利目的の企業は別として、国際社会としては冷めた目で一つの中国問題を見るようになっています。アメリカをはじめとし、欧州各国も中国に対して冷ややかな目を向けつつあります。

以前もお知らせしましたが、昨年末、欧州議会では台湾の国際機関参加を支持しましたし、アメリカでは、「台湾旅行法」の可決以外にも、「国防授権法」(必要があれば台湾に最新兵器を売ることができる)や、台湾におけるアメリカ事務所の実質的な大使館化など、台湾を国として扱うケースが増えてきているのです。企業の対応と国は別だという、ある意味で、欧米流のダブルスタンダードともいえます。

欧州議会で台湾の国際機関参加を支持、外交部が謝意

こうした世界の流れを受けて、日本も徐々に台湾とのつながりを広げつつあります。日台間では、民間企業どうしの交流、姉妹都市締結、鉄道会社どうしの交流、最新のニュースでは「日本と台湾の機関が毒物災害対策で協力対応力向上へ=覚書締結」というのもあります。

工研院攜手日本海上災害防止中心 簽署毒化災應變備忘録 國際接軌防災應變

アップル社の今回の行為は、中国に屈しているだけではありません。iPhoneという個人情報と密接に関係している商品なだけに、消費者の見えないところで、システム操作が行われるのではないかという不安を与えました。情報を第三者に渡すこともできてしまいます。

とくに情報の行き先が、独裁国家の中国だとしたら悪夢です。先の中国国内のユーザのデータを中国のサーバに移したことも含めて、世界を代表する企業としての品格や人権意識が問われます

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