5.終わりに
冒頭に出した高校生の熱中症事件をぜひとも調べてほしい。
この事件は最高裁まで争われており、結果、被害者側が勝訴しているが、被害者がテレビの画面に出た時の衝撃は、すごかった。熱中症でここまでなってしまうのか、正直私はそう思った。
事件の顛末を詳しく書かれている記事もある。なんだこの校長は! と思うところがたくさんあるが、日常でいじめ放置や隠蔽をする校長や教員と対峙している今の私にとっては、こういう輩は後を絶たないだろうと思うのだ。
それでも、被害を受ければ、一生モノなのだ。今回、豊田市ではこれからだらけの未来も将来もあったはずの小学1年生の生命が絶たれてしまった。それはもう取り返しがつかないのだ。
豊田市立梅坪小学校の籔下(やぶした)隆校長は「これまで校外学習では大きな問題は起きておらず、気温は高かったが中止するという判断はできなかった。結果として判断が甘かったと痛感している」と記者会見で釈明した。
私はこの校長の「結果として」という言葉が心から離れない。その言葉の裏には、熱中症で吐くぐらいまでなら問題にならなかったのにという言葉が隠れていそうでならないのだ。
これは結果論ではない。設備もなく、適切な救護もなく、多くの引率がいながら起きた事故は、軽度の落ち度といった過失ではなく、十分に予想し得た重過失だと言える。せめて、亡くなった男児児童への言葉が欲しかった。
学校は勉強や集団生活などを覚えるところの前に、いじめにしても同じだが、子どもの命を預かっているという意識を日本全国の全ての教職員に持って欲しい。命に関わること、二度と起こすな。
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