猛暑でも「水筒ダメ」。なぜ小学校の多くは校則を改めないのか?

 

そうであれば、とりあえず一安心ということなのかもしれませんが、この問題はやはり根本から考えておかねばならないように思います。

3点考えたいと思います。

1点目は、管理者の資質ということです。校則で水筒を禁止しているのは、それより大切な概念である「子どもの命を守る」という目的の手段として行なっているわけです。ですが、その校則のために子どもの健康が危険に晒されては本末転倒です。原理原則と、その道具としてのルールという「管理の全体像が見えていない、従って、臨機応変に最適解の判断ができないというのは、管理者失格です。

これでは、天災やテロなどへの対応にも大きな不安があります。このような訓練不足で、資質的に向かない人材を管理者にしては、本人を含めて全員が不幸になります。学校現場だけでなく、教委もふくめて、そうした人物を排除できるような人事政策を考えるべきでしょう。

2点目は主権者教育という問題です。ルールというものについて、このような杓子定規な運用を見せつけるというのは、子どもたちにどんな影響を与えるでしょうか? ルールというのは絶対だとか、ルールを守らないと損をするということを、強く刷り込むだけになるのではないでしょうか?

現在、18歳選挙権に合わせて「主権者教育」ということが言われています。仮に主権者教育というものがあるのであれば、それは「ルールに縛られる」人間ではなく、「ルールを作り維持し必要な改定を行い常に機能させる」ために、議会という間接民主制を通じて立法権を行使する有権者を育てることに他なりません。

そうであるのなら、大人たちが、それも尊敬の対象であるべき学校長や、教委が、このような本末転倒なルールの運用を見せつけるというのは大変な誤りであるとしか言いようがありません。

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