伝わらない理由
理由は簡単です。経営者が社員にしっかりと伝えていないからです。いえ、伝えているのかもしれませんが、「伝わって」いません。これが、この会社の業績が振るわない原因のような気がします。
業績が悪くなり始めると、小手先の販売戦略やプロモーションにいくら力を入れても事態が良くならないことが多いです。そういう場合は、根本に立ち戻らなければいけません。つまり、会社の理念やミッション、目標、行動指針といったことです。そうした、基本的なことが、社員の皆さんに浸透していません。
これは、社員を同じ方向に向かせるという、経営者のリーダーシップに問題がありそうです。本気で「会社にたずさわる人たちが幸せになる」ことが目標ならばそのことを毎日でも言い続けなくてはいけません。
そのための行動規範も言い続けなくてはいけません。社員の一つ一つの行動がその規範に沿っているかどうか、確認します。それが、経営者の発揮すべきリーダーシップです。
業績が良かったころは、たいしてそんなことを考えなくてもうまく回っていました。そこで経営者は勘違いしたのかもしれません。「皆、会社の方向性を分ってくれている」と。しかし、目先のことばかりに目を奪われていると、肝心の大切なことがおろそかになります。会社が守るべき指針を社員全体で共有することができなくなってしまうのです。
ですから、この経営者はもう一度全社員に会社の目指す方向性をしっかりと伝え、浸透させる必要があります。すでに「あるべき姿」や「行動指針」が明確になっているのですから、大丈夫です。経営者がリーダーシップを持って運用していけば、きっと早いうちに業績は回復していくことでしょう。
あなたのお店はどうでしょうか。経営者としてのリーダーシップを十分に発揮していますか。
■今日のツボ■
- 理念や方向性が社員に伝わっていないと、業績の回復がむつかしい
- 経営者のリーダーシップによって、それを伝えて浸透させる
- 目先の解決策ではなく、本質的な問題の解決をしていく
image by: Shutterstock.com