部下は見ている。若手にご馳走しない上司には、誰も付いてこない

 

元プロ野球選手、監督の野村克也さんは『運 「ツキ」と「流れ」を呼び込む技術』にて次のように書かれています。

人柄がいい監督というのも、チームにいい作用を及ぼすことがある。早い話が、監督の人柄のおかげでチームが勝つことがある。「この監督を勝たせてあげたい」選手たちに自然にそう思わせる監督の人柄が、チーム力となって優勝するということがある。さほど指導力があるようにも見えないし、卓越した野球理論や戦術を備えているというわけでもない。

 

ただいつも穏やかな顔でベンチに立っている。たったそれだけなのに、その人の存在感が選手に大きな力を与えているのだ。

 

そして、その反対にケチな人というのは、人望がなくなる。プロ野球の世界は、高い給料を得ている人が多いところだというのに、昔もいまも、意外なほどケチな人が多い。私の現役時代にもそういう同僚がいたし、各球団にもケチで有名な人たちがいた。みんな立派な成績をあげて地位も名誉も金もあるはずなのに、なぜかケチなのだ。

 

たとえば、私の南海時代の先輩の中にも「ミスターケチ」とでも呼ぶべき人がいた。名前も実績もある選手なのに、絶対に他人にものをあげたり、ごちそうしたりしない。反面、人からものをもらったり、ごちそうしてもらったりすることは大好きだった。

 

その後も、他球団の選手を見て、「あんなにいい選手なのにチームで人望がないのはなぜだろう」と思っていたら、やはりケチな人だというのを知って、貧乏な家に生まれ育った私でさえ「ケチはよくない」と肝に銘じた。プロ野球選手は、遠征先などで、みんなで連れ立って焼き肉を食べに行ったり、さまざまな料理屋さんに出かけたりすることが多い。

 

体が資本の職業だから、みんなよく食べる。そういうときは、高給取りの先輩たちが若い選手たちを連れていく場合が多いが、たいてい先輩たちが何人か持ち回りで自腹を切るものだ。

 

「でも、あの人が払っているのは一度も見たことがないんですよ。他の先輩が払ってくれることはあっても、あの人が払ったことはありません」

 

後輩たちは、そういうところをよく見ているものだ。「きょうは俺が払うから」とだれが言うのかちゃんと見ている。

上司と部下が賑やかに笑顔で食事をするような社風を作りたいものです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 降籏達生(建設コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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