日本社会はせちがらく、職場でも学校でも事細かいルールを強いられ、こなせないと「まるでダメオ」の烙印を押されてしまいます。ところが親の心配をよそに、当の子どもたちは全く無頓着です。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画「ドラゴン桜」の指南役としても知られる親野智可等さんが、悩める親御さんのために習慣づけの極意を伝授します。
やるべきことの「見える化」が実行につながる
子どもがやるべきことってくれないと、つい叱りたくなるものですね。でも、口で叱るだけではなかなかできるようになりません。それどころか、叱ることが増えると人間関係がギクシャクしてきます
そこで私がお薦めしているのが「叱らないシステム」です。これは、叱らなくても子どもが自然にできるように合理的な工夫をするということです。
例えば、あるお母さんは、子どもが学校から帰ってきたら次の4つのことをさせたいと思っていました。
- うがい・手洗い。
- 給食セットを流しに持っていく。
- お便りをテーブルの上に出す。
- 宿題の準備をする
でも、子どもがやり忘れることが多くて叱ってばかりいました。あるとき思い立って、お母さんは、これらの4つをカードに書いてホワイトボードに貼りました。
そして、「これを見てやってね。やったらカードをひっくり返して貼るんだよ」と伝えました。カードの裏には「にっこり花丸」を描いておき、ひっくり返すとそれが出るようにしました。
すると、たったこれだけのことで、子どもは確実にやれるようになったそうです。
この方法のいいところは、1つには、やることが目に見えてわかるように「見える化」されていることです。やることの「見える化」によって実行につながることは、大人でもよくあることです。
もう1つは、実行したら花丸が出てちょっとした達成感が持てるということです。ちょっとしたことでも子どもはうれしいものなのです。
みなさんも、子どもたちにやらせたいことを「見える化」して、さらにちょっとした達成感も持てるようにするといいのではないかと思います。
初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)
image by: Shutterstock.com