現役医師が警告。高齢者以外にも急増してる「レジオネラ肺炎」

 

レジオネラ肺炎にかかりやすい人とは

私の病院群のカンファレンスで拝見したレジオネラ肺炎のお二人の患者さんは、中高年の男性で50代と60代の患者さんでした。しかし、いずれも特に大きな病気を持っていない、比較的健康な方々だったのです。お一人はエアコンの設置や点検作業を行う仕事をしていました。もうお一人は、病院周辺の庭を管理し整理する仕事をしていました。感染経路は、それぞれ水系と塵埃によるケースと考えられました。

レジオネラ肺炎にかかりやすい人は、これまで高齢者や、糖尿病などの免疫低下状態がある方々でした。しかし、我々の経験した患者さんもそうでしたが、それほど高齢でもなく糖尿病などの病気もない方々でも、みられるようになったのです。国立感染症研究所の調査でも、50代以上からレジオネラ肺炎患者数の増加が顕著ということがわかりました。

では、今後レジオネラ肺炎に罹らないようにするにはどうすればよいのでしょうか。まず、糖尿病などの生活習慣病にかからないように体調管理することです。また夏の暑い時期には、温泉やサウナ、エアコン、ビルのクーリングタワーなどから排出される靄や水滴などをなるべく吸入しないようにすることです。そして最も大切なことは、地球温暖化を人類皆で最小限にする行動を起こすことだと私は思います。

文献
JT Walker. The influence of climate change on waterborne disease and Legionella: a review. Perspectives in public health 138 (5), 282-286, 2018

image by: Shutterstock.com

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