微力ながらも力になれて、退学寸前の生徒が卒業できるようになったケースも何件かありました。ただ、残念なこともありました。ある保護者は自分は働かずに、高校生の子に働かせ、そのお金を生活費、遊興費に使っていました。しかも、その保護者は健康に何らの問題もないにもかかわらずです。
その子はアルバイトを複数掛け持ちさせられ、学校を辞めざるを得ませんでした。何度も家庭訪問し、父親とも話し合いましたが埒(らち)があかず、児童相談所でも、「保護者と一緒に住んでいる高校生」ということで対応していただけませんでした。その生徒のことは今でも気になっています。
泉先生の記事「元小学校長が持論『自分を愛すること』がいじめ予防になる理由」から学ばせていただいたのですが、いじめや家庭環境で悩み苦しむ児童生徒のために教師をはじめ大人が正面から向き合って、問題解決に尽力することが、その子供の励みや支えになるのではないかと、思うところです。
虐待をする親の多くは、自分自身も子供のころ虐待を受けた経験を持つともいいます。負の連鎖を断ち切るために、子供の幸せと日本の発展のためにも、多くの皆さんに関心を持っていただき、力を合わせて虐待をなくしていきたいと思います。
清川洋
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