ウクライナを見捨てるアメリカが、中国にすり寄る日本を見限る日

 

国際社会の反応

国際社会の反応はどうでしょうか?

欧州では、「完全にロシアが悪い」という話になっています。「ロシア制裁を強化せよ!」と主張する政治家が多い。この件で、国連安保理が招集され、米ロが激しくやりあいました

米大使、ウクライナ情勢でロシア警告=国連安保理で緊急会合

11/27(火)7:04配信

 

【ニューヨーク時事】ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島沖で、ロシア当局が「領海侵犯」があったとしてウクライナ艦船に発砲、拿捕(だほ)した問題を受け、国連安全保障理事会は26日、緊急会合を開いた。ヘイリー米国連大使は会合で「ウクライナの主権領域に対する言語道断な侵害」とロシアを批判。こうした行為は「米国や他国と、ロシアの関係をさらに悪くする」とロシアに警告した。

ロシア側の主張はどうでしょうか?

一方、ロシアのポリャンスキー国連次席大使はこれに先立ち「(ウクライナが)挑発を計画し、すべてロシアのせいにして、(ウクライナのポロシェンコ大統領が)架空のロシアの侵略から国を救う救世主になって支持率を上げようとしている」と主張。緊急会合でも、クリミア半島の帰属問題は解決済みとし「制裁や追加制裁でわれわれの考えは変わらない」と述べた。
(同上)

これは、「支持率アップ説」ですね。トランプは、こんな対応。

米、会談中止警告で強硬姿勢か

11/28(水)17:11配信

 

【ワシントン共同】トランプ米大統領は27日、20カ国・地域(G20)首脳会合出席に合わせて予定していたロシアのプーチン大統領との会談を中止すると警告した。直前に起きたウクライナ艦船銃撃事件を受け対ロ強硬姿勢を示す狙いがあるとみられるが、その効果には疑問符も付く。

トランプは、プーチンに「会談やめるぞ!」と警告したと。プーチンとしては、「別に…」ということでしょう。

アメリカは、ウクライナを守らない

私は、アメリカはウクライナをそれほど守らないと思います。なぜ?アメリカは今年、中国との覇権戦争をはじめたのでしょう?それで、中国、ロシア2大国を同時に敵にしたくないはずなのです。もちろん、立場上トランプさん、ポンぺオさん、ヘイリ─さんはロシアを非難するでしょう。しかし、ロシアを止めるための大きな動きは出てこないでしょう。

困るのはポロシェンコさんです。東部親ロシア派支配地域に大攻勢をかける?しかし、アメリカからの支援なしで勝つことは難しいでしょう。

ウクライナの悲劇はなんでしょうか?アメリカの変化に気づいていないところです。2014年3月アメリカの主敵はロシアだった。ところが2015年3月のAIIB事件以降、アメリカの主敵は中国になった。それで、アメリカは、ウクライナ支援の情熱を失ったのです。

日本の政治家さんもウクライナを笑えません。米中戦争がはじまった途端に中国に大接近するぐらいですから。世界情勢の変化をしっかり学び、「勝てる道」を進んでいきましょう。

image by: EQRoy / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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