交渉のプロが伝授。相手を気持ちよくさせる、オウム返しの使い方

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交渉事や商談をしていて、相手側の専門家が難解な話をし始めて、議論が停滞してしまうことはよくあります。交渉のエキスパートとして何度もそういう場面に接し、しっかり渡り合ってきた『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者、島田久仁彦さんが、今回のメルマガで、交渉事や商談をスムーズに進める技や、相手を気持ちよくさせる会話術を授けてくれます。

チームでの交渉や商談で避けたい専門家同士の応酬

交渉や商談に臨む際、通常はチームを組んで行うことが多くなります。そのようなチームでは、私が交渉専門家として担うのが「スピーカー」という役割で、交渉において主に(大体の場合は唯一)話し、全体の議論を組み立てる役目ですが、そのスピーカー以外には、関連する法律の専門家や財務・金融の専門家、そして、話し合う内容を熟知した専門家という「議論を理論やデータでバックアップする」専門家が交渉チームには含まれます。通常は(私が交渉や調停を行う際は)、専門家が発言することはほぼ皆無です。

代わりに、主に話し、議論を組み立てる「スピーカー」である私(交渉官)に対し、法律上のアドバイスを行ったり、財務専門家が、交渉で話し合われている内容が「どのようなfinancial implicationがあるか」を即座に計算して、私に知らせたりするといった、どちらかというと“静かな”しかし“とても重要な”役割を果たしています。

一応、交渉や調停、商談に臨む前に、相手サイドと交渉におけるルールの確認を行うのですが、残念ながらそれが必ずしも徹底されるとは限りません。特に商談であれば、自分の部署に直接的な影響がありそうな内容であれば、自分がスピーカーの役割を担っていない場合でも、どうしても何か言いたくなることがあります。

特に「私がこの問題については、一番よく知っていて、経験もある専門家だ」と自負されている場合は、交渉チームのスピーカーを飛び越して発言される”専門家”が多くいらっしゃいます。私が毎回、交渉テーマや内容に応じて構成するチームの場合、最初にルール確認をするので、基本的にはこの“飛び越し”行為はないのですが、相手サイドでは結構起こります。このような場合、どう対処すればよいでしょうか?

交渉の流れ上、避けたいのは、「こちら側の専門家との専門家間での直接的な応酬」です。お互いに“専門家”という位置付けゆえ、一旦、詳細な中身の議論が白熱すると、交渉全体の流れのバランスが崩れ、交渉結果に悪影響を及ぼすことになります。

役割分担をしている理由は、「流れを止めないこと」であり、そのために、「交渉の場では誰が代表して話すか」をはっきりさせています。ゆえに、仮に相手の専門家が、相手のスピーカーを飛び越して話し出しても、こちらサイドで対応するのは、やはりスピーカーです。私のチームでは、もし、専門家同士の応酬になりそうなら、スピーカーは一旦交渉を止め、“相手のスピーカーに向かって”、「この問題は、では互いの専門家同士で案を練ってもらうことにして、次のトピックに移りましょう」と提案し、交渉のフローを止めない努力が必要になります。

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