庶民が払え。日本人富裕層の納税額が米国の半分以下という不公平

 

株主への増税が見送られ消費税の増税だけが決まった

この配当所得の不公平に関しては、政府内でも批判があり、今年の1月の時点では、消費税の増税と同時に、配当所得の税率の引き上げも検討されていました。が、株価への影響などを考慮し、配当所得課税強化は見送られました消費税の増税は予定通りに実行することが決められたにもかかわらずです。これを見れば、今の政府が何を大事にしているのかがよくわかります。

国民生活に大きな打撃を与え、格差を助長する消費税の増税は決行し、株価のことを配慮し、不公平をただすために配当所得の課税強化は見送っているわけです。国民生活の向上や、社会の公平は大事ではなく、目先の株価が大事なのです。現在、株価は、バブル期に並みに上昇しています。この数年で倍以上に上昇しました。一見、日本経済は好調のように見えます。

しかし、実際は日本人全体の生活は年々苦しくなってきており、それが少子高齢化の原因にもなっているのです。公益法人「1more baby 応援団」の既婚男女3,000名に対する2018年のアンケート調査では、子供が二人以上欲しいと答えた人は、全体の約7割にも達しています。しかし、74.3%の人が「二人目の壁」が存在すると回答しているのです。「二人目の壁」というのは、子供が一人いる夫婦が、本当は二人目が欲しいけれど、経済的な理由などで二人目をつくることができないということです。

サラリーマンの給料はこの20年で20ポイントも下がっているのに、消費税増税や社会保険料の負担増が続いています。それは若い夫婦の生活を直撃し、それが少子化の大きな要因になっているのです。

また昨今、日本では非正規社員が急激に増加していますが、これも、実は少子高齢化の大きな原因の一つになっているのです。男性の場合、正社員の既婚率は約40%ですが、非正規社員の既婚率は約10%となっています。派遣社員の男性は、現実的に結婚できていないということです。男性の派遣社員は、現在、500万人以上もおり、10年前よりも200万人増加しています。

この現状を見たとき、誰がもっと税金を払わなくてはならないか、誰の境遇を改善しなければならないか、一目瞭然です。サルでもわかる理屈です。

「サルでもわかるようなやるべきことを実行できない」

それが、今の日本なのです。そして、その象徴が消費税なのです。

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