いま、首都圏で激増中の「博多料理」居酒屋が大繁盛している理由

 

客の8割が2杯目に頼む「名物レモンサワー」がウリ

豚バラ串にはじまりうどんで〆る!」博多っ子の飲み方を提案する「博多うどん酒場イチカバチカ」は2016年8月2日、恵比寿駅西口にオープン。たちまち連日満席が続く評判店となり、現在では恵比寿にもう1店と、吉祥寺にも店舗がある。

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「博多うどん酒場イチカバチカ」吉祥寺店外観

福岡を本拠地とする2つの外食企業、ラーメン一風堂」チェーンを展開する力の源グループと、博多を代表する焼とり店「焼とりの八兵衛のセカンドブランドBUTABARA TO THE WORLDのコラボによって生まれた店だ。経営は力の源ホールディングスで、1号店の席数は48席ある。

博多うどんはコクのあるダシと、コシのないやわらかい麺が特徴。「イチカバチカ」ではダシはスルメイカ、アゴ、コンブなどから取る。それに合わせる麺は、小麦粉にうどんに適した福岡県産「ニシホナミ」を使用し、生地を練って1日熟成させてうどんを打っている。

一番人気のメニューは、ゴボウの天ぷらと牛バラ肉の醤油煮込みをトッピングした「肉ゴボ天うどん」(950円)。魚のすり身揚げをトッピングした「丸天うどん」(750円)や「ゴボウ天うどん」(700円)、「肉うどん」(800円)も人気だ。

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肉ゴボ天うどん

博多うどん店として、ランチも営業している。

ところで、博多で焼とりというと、串に刺す串焼全般を指すもので、鶏肉のみならず豚肉も牛肉も、野菜も魚介も串焼にすれば焼とりである。皿にたっぷり盛られたキャベツの上に乗って提供される。

焼とりの中でも、メインとなっているのが豚バラだ。

「イチカバチカ」の焼とり「国産豚バラ串」は塩、タレ、味噌の3種類があり各1本120円。福岡出身の人ならば、塩で食べるがスタンダードだ。タレは「八兵衛」から伝授された甘めのタレを使い、カラシを付けて食べる。

焼とり以外も、博多を代表する料理が並んでおり、「ゴマカンパチ」、「酢モツ」、「おきゅうとポン酢」、「屋台の餃子巻」、「イワシ明太子」などがある。見るからに辛そうなてっぱん料理「激辛コンニャク」の人気も高い。

また、「イチカバチカ」は博多料理に流行りのレモンサワーを合わせて成功している。

特にガチンゴチンに凍らせたレモンを氷の代わりに使う、「一八(イッパチ)レモンサワー」(600円)は同店の名物。ユニークなのは、中お代わり(300円)の制度があることで、レモンが入ったそのままで、焼酎やウォッカがお代わりできる。

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2杯、3杯とお代わりしていくと、レモンの氷結が融け出す。レモンを潰して飲むと味変化が楽しめるというものだ。

グラスの上部にアメリカ産のマルガリータソルトを塗り、ソルティ・ドッグのような仕様だ。ベースのお酒は焼酎とウォッカから選べる。レモンは食材の安全性、安心感を配慮して、国産ノンワックスを使用している。

若い世代にも気軽にお酒を楽しんでもらえるようにと、レモンサワーはメニュー化された。

そのため「イチカバチカ」の顧客は、1杯目にはビール、ハイボールを注文するが、2杯目以降は8割くらいの人がレモンサワーに切り替えるという。

何杯もお代わりする人には、たっぷり5杯分の焼酎やウォッカが入ったやかん(1500円)が用意されている。

恵比寿店の店内

恵比寿店の店内

この店も、博多の屋台からそのまま持ってきた料理が揃っているため、福岡出身者、福岡に転勤していたことがある人が顧客に多い。年齢層では男女を問わず30代、40代が中心で、男女比は6:4。週に4、5回来るリピーターも少なくないという。

顧客単価は2700~2800円で、ランチなら700~950円となっている。

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