いま、首都圏で激増中の「博多料理」居酒屋が大繁盛している理由

2018.12.10
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「関東人に合わせた博多の味」という創意工夫

本場・博多ではそれぞれ細かく専門店が発達していて、「博多劇場」のように博多の名物を一堂に集めた店ほとんど見かけない。その点でユニークである。しかも幸田業態長によれば「味はそれぞれの料理で、特に名物は手づくりで専門店に負けないレベルを追求している」とのことだ。

ただし、そっくりそのまま博多の味を出しているわけでなく、関東の人の好みに合わせて若干の変更を行っている。

たとえば、看板メニューの「鉄鍋餃子」は博多にある繁盛店をベンチマークしているが、博多で一般的に売られているかというとそうでもない。しかし博多流の柚子胡椒で食べるのが珍しく、顧客たちから面白がられている。

鉄鍋餃子2人前

焼きラーメンは博多では九州独特の甘い醤油ダレで食べるが、同店では豚骨ラーメンを提供。

牛もつ鍋」は博多ではシンプルな味噌味醤油味だが、同店では創作性を加えて、牛テールの塩スープ)、ピリ辛もつチゲスープ)、黒醤油スープ)と3つの味が選べるようにした。

また、もつ鍋に明太子を入れた「明太もつ鍋」が当たっているが、博多ではまず見ないメニューである。チーズリゾットで締めるのもユニークだ。

明太もつ鍋

おでん」はかつおダシの効いた、関東で一般的な、博多を感じる商品ではない。

一方で、本場・博多の味を追求した商品群もあり、明太子は名店「ふくや監修の昆布ダシで味付けしたオリジナル商品を開発。

「博多串焼き」は博多にあるものを出しているが、つくねだけはこだわって大葉と柚子が入っており、さっぱりと食べられるのがウリだ。

「ごまさば」は博多から空輸で取り寄せた生サバを使っている。また、博多の料亭「稚加榮(ちかえ)」の「いわし明太子」を販売しているのも売りとなっている。

宣伝の面では、アプリに力を入れており、面白企画を連発している。たとえば、オフィスにある電卓や定規、セロテープなど文房具を1つ決めて、持ってきた数だけドリンクを無料にして、グループ客を集める(現在は上限5杯までに変更)。

また、年に2回「看板男子女子総選挙」を実施している。アプリ会員になると、1回の来店ごとにスタンプが押され、投票権1票を付与。最も輝いていた店舗スタッフを、顧客の投票で決め上位7名を中心に28名がアプリ内で発表され、ポスターに掲示される。スタッフと顧客のコミュニケーションが促進される効果があるという。

博多劇場店内01

こうした飽きさせない企画が当たって、約24万人がアプリをダウンロードしている。顧客の40%が会員になっていて、リピーターにより安定した収益基盤ができている。

今年前半はリピート率を増やすために値下げをしたが、天候不順、繁忙期に向けた飲食事業の新規出店人材採用等により費用が先行し、同社の19 年3月期第2四半期決算では売上が13%伸びたのに純損失300万円と赤字になった。しかし、秋以降は既存店客数が伸びてきて、前年同月を上回っているので、通期では収益面も改善される見込みだ。

当面は一都三県を中心に店舗を増やしていく方針。今のところ神奈川県に1店もなく、埼玉県も3店しかないので、まだ攻める余地が残されている。将来的には、全国で300店を展開する計画である。

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