米中覇権争奪戦が勃発の2018年。日本は2019年、中国に付くのか

 

しかし、最重要事件は…

2017年は、トランプ政権が誕生した年。しかし、1年通して振り返ると、「北朝鮮がうるさかった年」でした。

2018年6月トランプと金が会談した。その後、金はミサイル実験、核実験を停止し、核問題は凍結状態」になっています。

そして、2018年、北朝鮮にかわって最大の問題になったのが、「米中戦争」です。最初は、「貿易戦争」でした。3月、アメリカは、鉄鋼、アルミ製品への関税を引き上げた。中国も、即座に報復措置をとりました。

6月の米朝首脳会談で北朝鮮問題が、下火になった。翌7月から米中貿易戦争は本格化していきます。

7月、アメリカは中国からの輸入品340億ドル分に25%の関税を課した。中国も、アメリカからの輸入品545品目340億ドル分に25%の関税を課す。

8月、アメリカは中国からの輸入品160億ドル分に25%の関税を課す。中国も、アメリカからの輸入品160億ドル分に25%の関税を課す。

9月、アメリカは中国からの輸入品2,000億ドル(!)分に10%の関税を課す。中国は、アメリカからの輸入品600億ドル分に、5~10%の関税を課す。こうして、貿易戦争はどんどん規模が大きくなっていきました

そして、ペンスさんの10月4日講演以後、米中の対立は「貿易戦争」にとどまらなくなってきた。そう、この戦いは、「覇権争奪戦争であることがはっきりしてきたのです。

2017年は、ひとことでいえば、「北朝鮮が暴れた年」でした。2018年をひとことでいえば、「米中覇権争奪戦がはじまった年」です。これから7年ぐらいは米中戦争を軸に世界はまわっていくことでしょう。私たちも覚悟が必要です。

日本政府はかつて、負けるナチスドイツの同盟国になるという、トンデモナイ過ちを犯しました。今回も、米中戦争が本格化した途端に、中国に歩み寄るという、かなり心配な動きをしています(ファーウェイへの対応などは、アメリカと歩調をあわせているようですが)。

私たちは、安倍政権が負ける側(中国)に近寄りすぎないよう、しっかり監視していきましょう。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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