沖縄の米軍機に民家上空を飛行させないため、日本がすべきこと

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日本防衛のノウハウは安全保障条約と米国の庇護下で70年以上も培われてきましたが、自衛隊防衛活動の法的矛盾で、いざというときの自国防衛もままならないのが現状です。AJCN Inc.代表で公益財団法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀さんは無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』の中で、この矛盾解決のためだけの「改憲案」とは別視点で「本当の意味で日本を守る方法」を探っています。

憲法改正をすべき本当の理由

全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。

憲法改正を主張する根拠としてはいろんなものがありますね。

占領軍に押し付けられた、というのもひとつだし、世界制覇を企む中国の脅威が日々増大している現実への対応もあります。なにしろ、尖閣や沖縄どころか、宇宙に進出して衛星から敵国をレーザービームで攻撃する能力を獲得しようとしているそうですから、アメリカもとうとう全面対決を覚悟せざるを得なくなりました。

一方、反対する人たちの中には「憲法改正をしたら戦争になっちゃう」と心配している人が多くいるようです。

そこで今回は、違った観点から問題提起してみたいと思います。

先般の沖縄知事選挙のころ、テレビのニュースに沖縄の子連れの主婦の方が登場して、目を潤ませながら次のように訴えていました。

なんで米軍機は民家の上空を飛ぶのを止めてくれないんでしょうか?それがどうしても理解できないんです」

小さな子供を持つお母さんの立場なら特にそう思うのは当然ですよね。部品が落ちてきたり、墜落事故があればなおさらです。次の場面では、市役所か県庁の職員が「米軍に説明を求めているのですが…」としどろもどろに答えているシーンが映りました。

米軍の方も地元住民と摩擦を起こさないように努力しているとは思いますが、飛びたいときはどこでも飛んでしまうでしょうね。

もし前述のお母さんが私の目の前で「理解できないんです!」とおっしゃったら、「それはね、日本は戦後ずっとアメリカに軍事占領されているからですよ」と答えるかもしれません。お母さんが目を丸くして驚く顔が目に浮かぶようです。

米軍という外国の軍隊は沖縄だけではなく、首都圏も含めて日本中に展開しています。もちろん、日本の民間機は基地上空を飛ぶことができず、迂回しなくてはなりません。はっきり言って、日本は戦後ずっとアメリカの軍事占領下にあるのです。だから、アメリカにたてつく総理大臣なんて簡単に潰されます。

吉田茂首相はアメリカに「ずっと基地を提供しますよ」と提案することで有利な講和をし、戦後の安全保障をアメリカに任せて経済的復興に集中するという方針を立てました。いわゆる「吉田ドクトリン」ですね。マッカーサーもそれでいいと思ったし、新規に発足する国際連合への期待もありました。吉田はアメリカを番犬にできると思ったようです。

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