トランプ大統領が目指す方向
トランプ政権の高官離職率は6割にもなり、トランプ大統領と違う意見の高官たちは次々に辞任している。結局、トランプ大統領が、すべてを決めて、各省の長官はトランプ大統領の命令に従うしかないようである。今までのエリートたちが作った米国を潰して、庶民の白人たちが安心して暮らせる社会にすることを目指している。
エリートが好きな理念とか人権保護という観点はない。米国の国益しか目にないのが、トランプ大統領であることを確認した方が良い。
このためには、世界の覇権やグローバル化などの今まで正義だとしてきた世界観を潰すしかないようだ。貿易赤字もゼロにして、米国に製造業を戻すようだ。反グローバルが正義に変わったと見る。
日米貿易協議でも、今までのような自動車の輸出ができるかどうか分からないと思う。今後もトランプ大統領に相場も社会も大きく影響されることになる。
米国第一主義のために、世界の中心ではなくなった米国に対して、ラガルドIMF専務理事は、ドル基軸通貨制度に代わる通貨制度の構築が必要と述べているし、米国中心の体系からの脱却を急ぐことになる。
もう1つには、グローバルを促進したのは、インターネットであるが、そのネット空間でも中国が優位になり、空間を流れる情報を盗めることで、中国のインターネットと米国のインターネットは接続しない可能性が出てきた。ハイテク分野を死守するのが米国経済には必要であるからだ。このため、2つのネット・ブロック経済圏ができることになる。この準備で、中国は「デジタル・シルクロード」計画で中国のインターネット範囲をユーラシア大陸全体で拡大している。
また、米国は「チベット相互入国法」を成立させたことで、政府機関の中国人が米国入国できなくなる。人の移動も制限する方向である。しかし、トランプ大統領は、これも取引(ディール)材料としか見ていない。
次の世界秩序を確立するまで、時間が必要になるが、今までの理念やグローバル化が正義ではなくなる。そして、人、物や情報が自由に移動できた今までの社会とは違う世界が待っているかもしれない。
さあ、どうなりますか?
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