NYで働く日本人女性が、たった2ヶ月で「すっぴん」出勤になる理由

 

そういう僕もファッションには必要以上の時間はかけません。キリがないからです。朝、着る服を考える時間が勿体無いと、スティーブ・ジョブズが毎日同じ格好をしていたのは有名な話ですが、僕自身もそこに時間と能力をかけるのが無駄に思えてしまいます。

ジャケットはネイビー、シャツは白かブルーと決めている。で、フォーマルなビジネスシーン以外では、ノーネクタイに第一ボタンを外す。もう、それがユニフォーム。春夏秋冬、素材は変わるけど、色は変わりません。もう何年も一緒です。お店も同じ。行きつけのバーニーズニューヨークは僕が行くと、いつものでいいか?とだけ言って、サイズを測ってくれます。

身に付けるものもすべてここ数年一緒です。靴はクロケット&ジョーンズというイギリスのブランドで黒と茶色のストレートチップ。財布はバリーの赤いラインの入ったやつ。香水はD&Gのライトブルー。一見、すべてブランド品で固めているように見えますが、それが理由じゃありません。定番だからです。定番は、すり減ったり、なくなったりした時に、また入手可能だからです。まったく同じのでいい。ただのユニファームにパワーも時間も使いたくない。

ファッションにうるさい人には「なんてつまんない」と言われるかもしれません。でも、もともとファッションセンスなんて皆無だし、ファッションで個性を出すという感覚自体が僕にはない。お金を出せば、もしくはスタイリストに頼めば、誰にでも得られる個性はもはや個性とは思えないだけです。

一番無難なネイビーのジャケットは、ピアノの演奏で言うなら、課題曲。一律のその課題曲を着て、どうやって個性的に演奏(仕事)するかという方が僕にとっては重要です。ちょっとだけ乱暴な言い方になりますが、トレンドを追わなくていい時間だけ、その時間を夢に使える。

あくまで個人的な意見ですが、ニューヨークの方がダイレクトにむき出しで夢を追える。一番大切なことに時間を使える街でよかったと思っています。

image by: Monkey Business Images, shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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