矢野 「僕自身、20代の頃は運命の女神を憎み続けていましたが、ある結婚式に参列した時に、京都のお坊さんがこんな話をしていたんです。
『仏縁に導かれたお二人だから、きっといい夫婦になられるでしょう。けれども、好むと好まざるとに拘らず、これからお二人には艱難辛苦が押し寄せてきます。それを乗り越えたら、きっといい人生が送れるでしょう。人生にはいろんなことが起こりますけど、無駄は一つもありませんよ』
と。その言葉を聞いた時は、『何を言うんだ。俺の人生、無駄しかないじゃないか』と思って腹が立ったんですけど、ふと考えてみると、仏さんがこいつは見どころがあると思って、人の何倍も艱難辛苦を与えてくれたんじゃないか。運が悪いと思い続けてきたけど、もしかすると運がいいんじゃないか。そう思うようになってから、少しずつ心のモヤモヤが晴れて、いいことが起きるようになりました」
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