景気のいい会社の社長はなぜ皆揃いも揃って中古ベンツに乗るのか

 

中古ベンツの効率の良さ

しかも、これがベンツとなると、さらに節税効果は高まります。なぜなら、ベンツは耐久性に非常に優れているからです。ベンツの特徴は、なんといっても優秀な性能ですが、それと同時に丈夫で長持ちということが挙げられるでしょう。そしてこの「丈夫で長持ち」ということが、節税で大きな意味を持ってくるんです。

たとえば、2013年モデルの「メルセデス・ベンツ A18ブルーエフィシェンシースポーツ」の場合、新車時には330万円程度で売られていましたが、現在、中古車として200万円程度で売られています。つまり5年以上経過しても価格は4割くらいしか下がっていないのです。

これは節税上、非常に有利になります。というのは、4年落ちのベンツを買えば耐用年数が2年なので、最初の1年間で全額を減価償却してしまいます。1,000万円の中古ベンツを買ったとしても、2年目には帳簿上の価値はゼロになってしまうのです。

でも4年落ちの1,000万円のベンツを数年間乗ったとしても、まだまだ市場価値はあります。よほどのことが無い限り、最低でも500万円、状態がよければ800万円くらいの価格で売れるでしょう。ということは、帳簿上は無価値ということになっているのに、実際には500万円から800万円の資産が残っていることになります。

中古ベンツは「隠し資産」になる

中古ベンツを購入し、減価償却が終わってしまいますと、帳簿上の資産としてのベンツは消滅します。つまり帳簿上の価値はゼロということです。

しかし、先ほども述べましたように、中古ベンツは耐用年数が過ぎても、市場価値は大きく残っています。いってみれば、「含み資産」ということです。この固定資産における「含み資産」は、現在の税法では計上しなくていいということになっています。だから会社は、裏金を500万円から800万円持っているのと同じことなのです。

そして、あまり景気がよくないときには、ベンツを売り払ってしまえば、会社の資金繰りに大きく貢献するというわけです。もちろん、ベンツを売った時には、売却益は収益として計上しなければなりませんが、そのときは会社の収益が悪い時なので節税のことは考えなくてもいいのです。

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