中国の好きにはさせぬ。米が対ロ関係悪化を承知で阻止したいもの

 

中国=もう一つのファクター

アメリカがINFから離脱するもう一つの理由があります。それが、中国。INFは、アメリカとソ連(現ロシア)の条約です。中国は、なんの制限も受けず、好きなだけ中距離核戦力を増やすことができる。トランプは「米ロがおとなしくしている間に真のライバル中国がどんどん強くなってしまう」と危機感をもっている。FNN PRIME10月21日。

米露が持てないカテゴリーのミサイルを中国が保有

 

だが、その後の中国軍の拡大が、情勢を大きく変えてしまう。中国は、INF条約の当事者ではない。そして、国連安全保障理事会の常任理事国であり、いわば国際条約上、合法的核兵器保有国だ。従って、INF条約当事者である米露が保有できない、射程500kmから5,500kmの地上発射弾道ミサイル及び巡航ミサイルも開発・生産・配備が条約に拘束されずに行うことができるし、実際に行っている。

こう見ると、アメリカがINF条約を離脱するのはロシアと中国に対抗するためなのですね。もちろん、米ロ、米中関係は、さらに悪化することになるでしょう。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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