あの日銀ですら危機感を抱く、アベノミクス「統計偽装」の大暴走

 

安倍首相は2月4日の衆院予算委員会で、小川淳也議員の“アベノミクス偽装”追及にこう反論した。

毎月勤労統計より総雇用者所得でみるべきだと私は思っている。第4次産業革命がはじまろうというのに、いままでの統計のやり方を墨守していていいのか。今までのやり方を変えるのは政治主導でないとできない。

2017年2月3日には官邸に菅官房長官を議長として「統計改革推進会議」なるものもできている。安倍首相の言う「政治主導の司令塔だろうか。

メンバーは関係閣僚、学者、エコノミストらだ。これまでに5回の会合が開かれ、第1回目の会合で菅長官はこうあいさつした。

安倍総理が先の施政方針演説において、長年手つかずであった各種の政府統計について、一体的かつ抜本的な改革を行います。このように表明されました。統計改革は政府の重要課題でもあります。

本来、統計に政治の入り込む余地などないはずだ。官邸のねらいははっきりしている。アベノミクスの見栄えをよくするためだ。

安倍政権はもういい加減、アベノミクスの挫折を糊塗することにエネルギーを費やすのをやめたらどうか。厚塗りの化粧をほどこす余力があるのなら、さっぱりアベノミクスをあきらめ、経済財政諮問会議のメンバーも一新して、第4次産業革命にふさわしい斬新な発想の経済政策を模索したほうがいい。

何にでも「改革」をつけてイキがっているが、安倍首相には、なにより自己改革が必要なようである。

image by: 首相官邸

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